【読書】「ついやってしまう」体験のつくりかた(玉樹真一郎)
世界で1億台売れた大ヒットゲーム「Wii」。
「Wii」の企画を担当されたのが、玉樹真一郎さんである。
その玉樹真一郎さん著・
『「ついやってしまう」体験のつくりかた』。
モノを作っても売れない時代。
商売をするためには、消費者の心理や本音(インサイト)に注目せよ、と言われる。
本書のテーマもまさに、"人の心" である。
マリオやドラクエ、テトリスなど、ついついやってしまうゲームたち。
これらのゲームに実装されている、
"人の心をつかむ方法" とはいったい何なのか?
その方法をふんだんに紹介してくれる1冊である。
今企画しているビジネスで、サービスデザインを考えている私に、ドンピシャで必要となる考え方を教えてくれた。
なかでも、私が教えられて最もハッとした方法を以下に記録しておく。
"ユーザに寄り添う" の本質
ビジネスの現場でよく耳にする、"ユーザに寄り添え"という言葉。
一見するとすばらしい主張なのだが、一方で、
具体的にどうすればユーザに寄り添っていることになるのか、それはよくわからなかったりする。
本書では、これを以下のように言語化してくれている。
例えば、ゲームを例にしてみると、
どんな名作ゲームだとしても、ユーザは実際に体験してみるまでその面白さを感じることはできない。
なのでゲーム会社はゲームの「楽しさ」を伝える前に、ユーザがそのゲームにどう関わればよいのか、まず遊び方が「わかる」ように導くことが必要だ、という。
実際、任天堂の「スプラトゥーン」や「あつまれ どうぶつの森」のCMを見てみると、楽しさを宣伝しているように見えて、実は遊び方をメインに紹介していることに気づく。
遊び方を紹介することで、結果的に楽しそう^^♪という気持ちを引き起こす構成になっているのだ。
これから自分が興すビジネスにおいても、
サービスの良さや魅力をアピールするより先に、
ユーザがそのサービスにどう関わればよいのか、そこを直感的に理解してもらえるような広告を打とうと思う。
まとめ
とあるように、"人々の楽しみ"に価値を置き活動されている企業・任天堂。
実際、学生時代に「スーパーファミコン」、「ゲームボーイ」「ニンテンドーDS」、「Wii」に楽しい時間を与えてもらった一人として、その楽しさを提供できる秘訣をずっと知りたいと思っていたので、本書は大変興味深かった。
そして、"人の心" に注目が置かれている現代において、ビジネスの現場や日常生活など、あらゆる場面で有益となる本でもある。
これから起業する中で、この本の考え方を要所要所に散りばめ、人の心に響くビジネスを立ち上げたい。