フリーランスエンジニアにインボイス制度が与える影響について
フリーランスといっても様々な業態があるとは思いますが、特に客先常駐するフリーランスエンジニアの場合、利益を圧迫するような経費はほとんどかかりません。
現場で使うPCも貸与されることが多いですし、交通費などはフリーランスの単価全体から見るとごくごく小さな割合です。
むしろ技術書を買ったり、新しいIoT機器を試してみたり、カンファレンスの参加費用・交通費を経費で落としたり、住宅の半分を事務所として家賃の按分した額を経費にできたりと経費にできることのメリットのほうが大きいです。
自営業者は年商1000万までは消費税を納めなくても良い「免税事業者」だったので、客先から振り込まれる消費税はすべて利益になっていました。(これが「益税」と呼ばれる所以です。)
また、フリーランスで税別70万台後半の案件を獲得することはそれほど難しくはありません。
この単価帯ならばごろごろ転がっているので、供給の面も問題ないでしょう。
都内に住んでいて最低限の実力が備わっていれば、実務経験1~2年でもクリアできるハードルです。
例えば税別77万のケースだと税込84.7万、一年間での年商は1016.4万。これでも消費税の課税対象となる年商1000万を超えてしまいますね。
なので、最後のほうで稼働を抑え目にするなどして年商が1000万をギリギリ下回るように調節するのです。
前述のような技術投資だけでなく、小規模企業共済やIDECOなどをフル活用してうまく節税しながら金銭的にも貯蓄をすすめることができます。
というわけで、「フリーランスエンジニア年商999万で節税しながら非課税事業者としてそこそこ自由に持続可能な暮らし」というのは、必要とされるスキルセットに対して得られる経済利益性が高い。いわゆるコスパの良い、再現性の高い生き方のモデルプランだと思っていました。
2023年に導入されるインボイス制度
が、2023年には「インボイス制度」というものが施行されます。
詳細は省きますがかいつまんで説明するとこんな感じです
・発注元は、発注先が免税事業者であったら、消費税分の支払いはやらなくていいで(受注側からしてみれば、単純に売上10%ダウン)
・受注元は売上1000万円以下でも消費税を払う特別届出を出せば課税事業者になれるで(ただし、当然ながら消費税の支払いが発生する)
インボイス制度に関する詳細が知りたい方はこちらの記事などが参考になるかと思われます。
非課税事業者は(税制がめんどくさいので)取引させてもらえなくなる、ということもありえるかもしれません。
華やかではないがなかなか悪くないアガリ型の一つだと思っていましたが、、、、情勢は常に変化しますね。
1000万とどう向き合うか
私は一年稼働するとどうしても1000万を超えてしまうので、「消費税なんて屁でもないくらいに、もう駆け上がるしか無いね!」という発想で仕事をしています。(税理士の人にも合意をもらっていますw)
もちろん、数字至上主義から脱したいと考えて会社員から離れる選択をした人もいると思います。
なので、喫緊の問題ではないがインボイス制度を受けてどう立ち回るか、はフリーランスの人は今からでもきちんと戦略を練っておくことが必要だと思いました。
まとめ
・年商999万で消費税を受け取り、免税措置を受けながら(益税)節税しまくって豊かに暮らすハックが、個人事業主にはあった
・しかし、2023年のインボイス制度によって通用しなくなる
・1000万という免税の壁とどう向き合うか?個人事業主自身の向き合い方が問われる
ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。サポートいただけると記事を書くモチベーションになりますので、よろしくおねがいします。