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「キックボクシングの打撃とMMAの立ち技って、要は何が違うの?」格闘技観戦の分かってるようでよく分からない!を森安が解説。

グラップラー・高橋“SUBMISSION”雄己が今の格闘技シーンで気になるテーマをピックアップ。
フィジカルトレーナー・森安一好が解剖学の視点から深掘り解説していきます。
第五弾は国内の格闘技シーンにフィーチャー。

RIZINフェザー級戦線でキックボクシングからの転向組がMMAにアジャストして大活躍していたり、高橋のheartsの身内で言えば修斗王者の新井丈とキックボクサーの心直選手のMMAルールでの「果たし合い」があったり。
逆に少し前にはMMAファイターの朝倉未来選手とキックボクサーのYA-MAN選手の立ち技マッチがあったり…。
格闘技シーンを追っていると、立ち技の選手とMMAの選手が交わる機会が多々見られます。

そんな中で今回はファン目線で高橋が感じた疑問を、MMA、立ち技、双方のトップ選手のフィジカルを指導する森安にぶつけてみました。

森安と、森安がフィジカルを指導する山田彪太朗&山田虎矢太の山田ツインズ。共にシュートボクシング王者。


高橋 キックの選手とMMAの選手がMMAやると、打撃面でもMMAの人が優位に立つ事があるじゃないですか。
でも打撃だけでやると、やっぱりキックの選手に軍牌が上がるんですよね。

この差ってなんなんですかね?
「組みがある打撃はまた別」とかよく言いますが、具体的にその「別」がよく分からず。

キックとMMAは完全に門外漢なので、今後の格闘技観戦をより楽しむために、今回はこのあたり解説いただけたらと思った次第です。

森安 完全に門外漢…。
サブミッション、プロMMAやってた時の記憶はもう失っているの?(笑)

高橋 前世みたいなもんです。グラップリング引退したらまたやるかも。
まあ俺は「MMAやってた」ってより、「MMA出てた」だけなんで。何もわかってないですよ。
すごく面白いけど、すごく難しい競技だと思います。

実は3年前くらいはMMA出てた高橋。
©️ゴング格闘技


高橋 まあそういう背景もあって今回のテーマは気になるところもあり。グラップリングベースでMMA出てた俺とは逆に、キックボクシングからの転向組が最近国内のMMAシーンで大活躍しています。
最初はちょっと戦績振るわなかったりする方もいるんですけど、MMAに「アジャスト」してからは国内団体の王者クラスを倒すほどの実力を見せてくれています。

森安 うん。

高橋 と、こう書いてしまうと簡単なんですけど、そもそも「MMAにアジャスト」って正確に定義すると何なんでしょうか?
単純に寝技が出来るようになる事だけではないのは分かります。

平本蓮選手、久保優太選手…MMAシーンで大活躍しているキック出身選手は、「何が出来るようになったからMMAで活躍出来ているのか?」
「何が出来なかった頃は苦戦したのか?」
「その差分は?」

このあたり含めて理解して、RIZINフェザー級戦線とか、キックボクサーとMMAファイターのSNSでのトラッシュトークとか含めて、今の格闘技をまるっと楽しめるようになりたいです!
解説お願いします!

森安 タケアキ(木下カラテ)がRIZINフェザー級戦線に食い込み始めたりとか、仲が良いとこが関わり出したから気になり出したんだね。(笑)
サブミッション普段グラップリング以外の格闘技ほとんど観てなさそうなのに。

高橋 …(笑)

RIZINにて久保優太選手と拳を交える直前の木下カラテ。
高橋はセコンドで現地にいた。

打撃競技とMMAの立ち技の違いとは?



森安 今回は立ち技についてスポットを当てていきます。
トレーナーとして今まで様々な競技の選手に関わらせて頂きました。
プロ野球の投手、冬季オリンピックのメダリスト、社会人アメリカンフットボール、Bリーグの選手など格闘技以外のスポーツ選手のトレーニングを見させて頂く機会に恵まれました。

では私が全てのスポーツに精通していたのか?といったら「NO」です。

5万人の東京ドームで投げた事も無いし、オリンピックに出た事もありません。

そんなトレーナーとしての私がアスリートのトレーニングを見る際に行うのが「動作解析」です。
その競技のルール、競技時間はもちろん、どの筋肉をどの様に使うか?外的な要因はあるのか?道具は?などその競技を調べ尽くします。

高橋 いまは我々hearts所属の選手やシュートボクシングの選手など、多くの格闘技選手を指導されてますよね。

森安 こうして一緒にnoteを連載しているサブミッションも含めて、MMAとシュートボクシングとグラップリングの各団体の王者または王者クラスのフィジカルの指導に関わっています。

そんな中で、今回の議題についてはMMAと立ち技、両方の競技を見させてもらってるからこその視点でお話したいと思います。

森安と、指導選手の新井丈、木下カラテ。
両名とも国内団体のトップコンテンダー。

高橋 お願いします!

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