初めての緊縛発表会 〜ショーの構成方法を振り返る〜
こんにちは。縛り手さんのゆきすくりーむです。
2020年11月28日に私が緊縛を学んでいる歌舞伎町にあるSMバー・TittyTwisterで、緊縛発表会に出演をさせて頂きました。
もちろん人前で縛るのは初めてのこと…
出演の打診を受けたのは2ヶ月くらい前だったと思うのですが、そこから本番の1週間前くらいまで試行錯誤と練習を繰り返しました。
その甲斐もあって本番はかなり満足いくパフォーマンスをすることができ
「緊縛ショーで初めて泣いた」
「演出にエモさと儚さを感じた」
などなど嬉しい感想を頂くことができて、終わったあと数日間は気分が高揚しっ放しでした。
とは言え構成や演出を考えるのは結構大変でしたし、割とめんどくさかったです。
きっと未来に現れる後輩縛り手も同じような悩みに直面すると思うので、読まれるかわからないですが「ゆきすくりーむが初めての緊縛ショーをどんな手順で作り上げたか?」について書いていきます。
ステップ1.ショーのジャンル決め
ざっくり「どんな緊縛ショーをするか?」をまずは決めました。
僕は緊縛ショーは大きく分けて4つの種類があると思っています。
①.SM(プレイ)系
②.お笑い系
③.アート系
④.ストーリー系
皆さんが緊縛ショーと聞いてまず思い浮かべるのは①のSM系ではないでしょうか。
受け手を縄で縛って鞭や蝋燭などで責めるやつです。
ただ僕は縛り手ではあるもののSではないですし、SMのために緊縛をしているのではないのでSM系の緊縛はできないな…と却下。
②のお笑い系はネタ要素多めの緊縛ショーですね。
過去にはラジオ体操の曲に合わせて緊縛ショーをした…という天才的な発想を持った方もいらっしゃったようです。
ただ僕には見ている人を笑わせる能力も技術も発想もないのでこれも却下。
③はHajime Kinokoさんが得意とするジャンルでしょうか。
緊縛をアートと捉えて「魅せる」緊縛を披露するショーです。
ただこれもまだまだ経験の浅い僕にはハードルが高いので却下。
ということで半ば消去法的に私は④のストーリー系の緊縛ショーをすることに決めました。
ストーリー系はあるテーマや伝えたいことを設定して、それを緊縛ショーを通じて演じるものです。
まぁショーである以上、SM特化だろうがお笑い特化だろうがアート特化だろうが背景にはストーリーやテーマはあるのでしょうが…。
この辺りのジャンル分けや説明の仕方は人によって異なる理解や意見を持っている人も多いでしょうし、まぁゆきすくりーむの1つの考え方くらいに思っておいてください。
ステップ2.ショーのテーマ(ストーリー)決め
さてストーリー系の緊縛ショーをすることに決めたので、ショーのテーマやストーリーを考える必要があります。
テーマやストーリーを決める時に僕が判断材料にしたのは次の3つのことです。
①.どんなお客さんが見に来てくれるのか
②.ショーをする舞台・場所は僕たちにとってどんな場所か
③.僕たちにしか表現できないストーリーってなんだ
①.どんなお客さんが見に来てくれるのか
ショーと言いつつも、講習生の発表会です。
なのでお客さんはほとんど僕か相方のことを知ってくれている人たちです。
全く初見の人たちはほとんど来ないだろうことは容易に想像ができました。
僕が想定していたお客さんの構成比率はざっくりこんな感じです。
・僕と相方共通の知り合い:60%
・相方の知り合い:30%
・僕の知り合い:10%
※プラスもう1組の演者さんたちのお知り合いの方たち。
この全員がもちろん緊縛ショーを目的に来てくれるのですが、特にどちらか一方の知り合いの方達は「(ゆきくん・まみちゃんの)相方の人ってどんな人なんだろう?」って思ってショーを見に来てくれるのだろうなと想像していました。
なので僕や相方のこと、もっと言えば2人のことが伝わるようなテーマやストーリーでショーをしたらお客さんも楽しんでくれるかな?と思いました。
②.ショーをする舞台・場所は僕たちにとってどんな場所か
今回のショーは内輪向けの発表会といえど私たちにとっては最初で最後の「初舞台」でした。
そしてその舞台となるのは私が半年間縄を習い続け、そして相方と出会った場所でもあるTitty Twister。
個人的にはすごく特別な、大事な舞台と捉えていました。
なので見てくれた人たちだけでなく、演じた僕や相方にとっても記憶と心に残るようなショーをしたかったんです。
③.僕たちにしか表現できないストーリーってなんだ
最後に一番重要なこと。
まだ縄を本格的に習って半年間の僕には、目の肥えたお客さんを感動させるような技術なんか到底ありません。
であれば「他の誰にもできない、僕と相方にしか表現できないストーリーってなんだ?」ということを考えました。
①で出した「僕や相方のこと、そして2人のことが伝わるようなストーリーでショーをしたい」という答え。
そして②で出した「僕や相方にとっても特別で心と記憶に残るショーにしたい」という答え。
そこから僕は「二人が出会ってパートナーになるまでのストーリー」を緊縛ショーで表現することに決めました。
ステップ3.ショーの中身作り
ショーを構成する上で決めないといけないのは次の3つです。
・緊縛の流れ
・演出
・音源
・緊縛の流れ
僕の場合はできることも限られているので、シンプルに「胸縄→腰縄→吊りの展開」の一択でした。
吊りの展開だけ考える必要があったのですが僕はもうテーマを決めた時点でショーの終わり方も決めていたので、吊りの展開はそこから逆算しました。
・演出
もちろんただただ縛っているだけでは僕が伝えたいストーリーはお客様に伝わらないので、所々でそれを匂わすような細かい演出を入れていきました。
もしかしたらまた別の場所で同じ構成のショーをするかもしれないので詳細をここで書くのは避けますが…僕は以下の出来事を表現するための演出をショー内に入れました。
- 少し緊縛から離れていた相方
- その相方から縄を受け取った僕
- 縄を通じて距離が縮まる二人
- そしてパートナーになる
この演出は例えばSM系だと縄とか蝋燭になるでしょうし、お笑い系だとネタが入るところです。
・音源
僕はテーマを決めた時点で使う音源も決まっていたので、ここを考える時間はありませんでした。
ただもちろん自分の縛りにかかる時間と曲の長さがピッタリな訳ではないので、時間調整のための編曲はかなり細かくしました。
僕の場合はどの音源でショーをするかがかなり重要だということが今回でわかったので、次回以降もショーをする際はストーリーと音源はセットで決めると思います。
ステップ4.練習、試行錯誤、縄の選択、音源の調整
大体ショーですることが決まったのは本番1ヶ月前くらいでした。
その後はひたすら練習…練習…
練習をしながらお客様の方に背中を見せないような立ち回りや所作の確認をしたり、より綺麗に魅せるための細かい縛りの改善などを実施。
そして練習をしながらショーで使う縄と順番も決めました。
ゆーても初心者に毛が生えたレベルの縛り手でしかないので、変な位置で縄を継がないといけなくなるとテンパっちゃうんですよね…へへ。
また練習を重ねると意外と早く縛る終わる場所や、てこずってしまう場所が見えてきます。
僕の場合は割と明確に「この曲のこのタイミングでこの縛りを終えたい」と決めていたので、自分の実力に合わせて音源を調整しました。
最終的に「もうこれ以上何もいじらない!」という状態になったのは本番1週間前くらいかな?
相方や周りの人からは「緊張感がない!」とイジられていましたが、割と自分の中では計画通りに本番までのスケジュールをこなせたと思っています笑
最後に
どうだったでしょうか?
僕のことを知っている人は、何にも考えていないように見えて意外とゆきすくりーむはしっかりと考えていたんだなぁ〜と思ってもらえれば幸いです。
またこれから初めての緊縛ショーに挑む方にとって、この記事が少しでも素晴らしい緊縛ショー作りの役に立てば幸いです。
それでは。
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