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旅の脳内物質

奈良に行くことにした。
奈良に住んでいる子供ともう2年も会えていない。
今だったら大丈夫、そう思って週末に行った。

だが今日は、PCRの陰性が確認できるまでは出社禁止と言われ、思わぬもう1日の休みができた! (介護関係なんで、そのあたりは厳しい)
なので、そういう理由で平日の昼間っから旅日記を書いている。


京都から奈良まで

大阪からのルートしか考えてなかったけれど、京都からのパックしかなかったので、京都からの移動にした。

近鉄のビスタカー。2階席を予約。
本当は「あをによし」に乗りたかったが、予約できなかった。

平城京を車窓に見るとやはり感動する。奈良は広い。だだっ広い。広大だ!


奈良市内

2年ぶりに息子と近鉄駅で会った。背丈もイメージもあまり変わっていなかった。
LINEや電話で話していても、はやり実物を見るとほっとするものである。

飛び込みで「ひつまぶし」を食べて、それから古い路地を歩き、中川政七商店を見た。素敵なお店。リサーチ不足にて買い物はなし。

どこもかしこも鹿がいる。いろんな人がディズニーのキャストのように鹿の糞を片付けてくれてた。
あれ? どこでしたっけ?
奈良国立博物館 特別公開

重要文化財の仏像をこれでもかというほど眺め、かわいい鹿に癒されて。もう、町全体がワンダーランドである。旅をするときに湧き出る「特別な脳内物質」。
もう、その存在も忘れていたものがじょじょにあふれてきた。

橿原市(かしはらし、と呼ぶそうです)

夕方より橿原市に移動。
チェックインして荷物を預けるが、まだ空腹ではない。
「橿原神宮に行こうか」と息子が言うが、5時で閉門である。
ホテル近くの観光案内所に飛び込んだら、このビルの最上階が展望台になっていることを教えてくれた。

三大低山に囲まれた奈良の都

「ほんとに何もないんだよ。バスでイオンモール行くか、タクシーで寿司食べに行くか」と息子。
バスでイオンモールに行って本屋で遊んだ。お互いに読んだ本を本屋で紹介しあう。息子の方がわたしよりもお堅い本をたくさん読んでいた。
イオンモールで寿司。息子が奢ってくれるので、ウニとかトロとか食べまくった。
明日はひとりで移動するので、息子とは今日でお別れ。

橿原神宮

予報では雨だったのでギリギリまで迷った。が、ホテルの窓をあけたら「いける!」と思った。

大和八木のロッカーに荷物を入れ、橿原神宮まで。

うつくしき日本のはじまりの神社

その後、橿原神宮前でバスの周遊券を買う。
キトラ古墳にどうしても行きたかった。
時刻表をにらみながら、飛鳥村でうまく乗り継げることがわかる。
帰りの時刻も確認して。キトラ古墳に行く。

丸い古墳?

壁画「白虎」の特別公開を予約できて、見ることができた。
長い時代の密室から飛び出た白虎。ああ、よくぞ、その姿のままにと思って、本当に、ここまで来て出逢えてよかったと思った。

帰りは飛鳥村から近鉄と思ったが、大和八木に直通のバスがあることがわかる。周遊の範囲を出た分を払って、無事にコインロッカーのスーツケースを回収。

大阪へ

近鉄の上本町行きに乗る。上本町のロケーションがわからず、また車内の路線図とにらめっこ。
天王寺に行きたいなあ。庵野秀明展を見たいなあ。
そうか!JRと駅が一緒になっているところだったら、乗り換えができるはず。
調べたら鶴橋で乗り換えができた。
たぶん帰りは御堂筋線で直線で新大阪のはず。

おかげで見れました。庵野秀明展
笑えばいいと思うよ

息子と以前話したとき「自分の原点はシンプソンズだ」みたいなことを言っていた。彼の軽やかさにわたしはときどき救われる。

わたしはときどき真面目に働きすぎて、プライドを持ちすぎて。
真面目にコロナに閉塞感を持って、ちょっと精神やられたりしてしまう。

旅に出ると、わたしは、なにもできないわたしになれる。
なにもできないわたしは、人にもの尋ねたり、目的地を調べるために太陽の位置で方角を見たり、必死で駅で路線図を眺めたりしている。
食事をしたお店の人の「ありがとう」に「こちらこそ、旅先のおいしい食事をありがとう」と言いたくなってしまう。
なにも知らないわたしの空洞が、わたしの中にできあがり。
特別の風が吹いて、特別の言葉が響いて、特別の脳内物質が湧き出て、それで満たされるというのとはちがうけれど、多幸感に包まれる。

旅が続くかぎり、満たされずに湧き出る脳内物質。

これを知っていれば、また日常に戻ってもまだまだ大丈夫だ。


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