「いちばんすきな花」を観ると、毎回自分の「痛いところ」を言われているような気がして泣いてしまうのだけど、きっとおなじような人がどこか知らないところで泣いているのだろう。
たまたま一話を見たら、なんだか、ひとつひとつの会話がしみてしみて、それで見逃したり、配信利用したりしながら見続けている番組がある。
「いちばんすきな花」だ。
結婚する予定で新居に引っ越ししたのに、彼女を友人に寝取られて、別れることになってしまった「椿」。
たったひとりの男友達が結婚する際「おんな友達と毎回カラオケなんてありえない」と妻に言われ、友人関係を解消されてしまった「ゆくえ」。
美人ゆえに「おんな」として見られる息苦しさと不公平さとやっかみに小さい頃から耐えて生きている美人の「夜々(よよ)」。
コンビニでバイトしながらイラストレーターを目指す、けれど友人からは「客寄せパンダ」のように扱われてしまう「紅葉」。
みんな、表面はいい人なのに、「教室では2人ひと組」になるのが怖くて、あぶれてしまいそうな「2人組になれなかった4人」だ。
そんな4人が「偶然」という贈り物をもらったかのように、椿の家に集まるようになる。
どこかいびつで、いびつなのにいい顔することに慣れていて、でも、自分でもそれがおかしいと薄々気づいている4人の会話がとてもしみる。
小学校の頃のエピソードもとてもしみる。
4人が、少しずつ、自分のおかしさを告白して、それを同感してもらえてるのもしみる。
会話劇って苦手なんだけど。
「言っちゃダメなことはたくさんあるけど、思っちゃいけないことはないです」
とか。
「絵を見せると上手だねって言われるけれど、好きって言われて嬉しかった」
とか。
とてもしみる。
そして、つらい告白や、悲しい告白を聞くたびに、どこかで同じような経験をしてきたことを思い出し、ほろりと泣いてしまっている。
そして泣くたびに思う。
きっとわたしのように泣いてしまっている人がこの画面の向こう側にいるのだろう。
その人と知り合って友達になることはできないかもしれないけれど、わたしの気持ちをここに書いて「同じだよ!」って思ってくれたらいいな。
椿さんの家がそういう奇跡の家にこれからなっていけますように。
みんなの「いちばんすきな花」をいつか知ることができますように。
ちなみにわたしの「いちばんすきな花」は赤くて森のように大きな藪椿です。
(現在4話まで見ています。まだまだこれから)