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どでかごん
2014年9月7日 06:31
トンネルを抜けると雪国だったのだ。季節は夏なのに。どうやらおかしなことになっている。雪国とは言ったが白銀の世界ではない。2センチほど積もった雪が無数のタイヤにかき乱され、白さを失い灰色に映って見えた。どこまでも広がる田園を二つに分かつように途切れることなく一本道が伸びている。視界の先に建物や山は見あたらない。フラットな地平線。空は厚い雲に覆われている。 ゆっくりと歩を進めると、溶けかけた雪が靴
プランニングにゃろ
2014年11月18日 22:15
「もういい加減、分かっただろ? そんな薬どこにも無いんだよ。」砂漠のオアシスの給水所で、むせながら水を飲んでいる私に、ガイドの少年はおよそ子供らしくない、諭すような口調でそう言った。「冗談じゃない! 見つけるまではあきらめてたまるもんか! 私の寿命が尽きる前に必ず見つけ出してやるんだ! 不老不死の薬を!」少年はヤレヤレといったジェスチャーをしただけで、それ以上は何も言わず、小走りで