西武そごうの2019年の広告。わたしは、私。
このCMを初めて見たとき、直感的にはげしく不愉快を感じました。クリームパイのスラング的な意味は知りませんでしたが、ググってみて驚きました。もう西武で買い物をすることは無いと、心に固く誓いました。
しかし。クリームパイを投げつけることが女性への暴力を意味していると、完全に定義し、その上でもう一度文章を読み返してみると、その意味がまた違って理解できて、とても共感しました。
クリームパイを投げつけられような暴力を、女だから強要され、それは卑劣な行為だと声をあげると、女は黙っていろと無視され、女なのに主張したと減点される。マスメディアでは女の時代だともてはやされるから、活躍も進出もしないといけないけれど、女はまだ、女だからクリームパイを投げ続けられている。女の時代は本当来るの?
ヴィジュアルの不愉快さも、女性が現実に感じている生きづらさを想起させるための装置でしょうか。女だからと活躍も進出もパイ投げも強いられる。そんな女の時代ではなく、私に生まれたことを讃えられる、そんな私の時代へ。。
ここまで来ると、共感の嵐が吹き荒れる。。。
パイ投げの意味がすぐには分からない(グローバルで見ると直接的すぎるかもしれない)点と、直感的な不愉快さで拒絶反応が起きてしまう点が、CMとしては物議を醸すところでしょうか。広告という媒体を使いつつ時代のとある側面を表現した素晴らしい作品だと思いました。
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