金ようのともだち
我が家の玄関に、隣の家の観葉植物の葉っぱが越境進出して来ている。目を凝らさないとわからないほどなのだが、微妙に越境しているのだ。伸びて来たその葉っぱを、我が家の主権に法(のっと)って切っちゃってもいいのだが、見て見ぬふりをしている。(笑)こうなって、もう1年くらい経つのかもしれない。
なんでこうなったかと言うと、実は我が家の観葉植物の葉っぱが、まず隣の家の玄関に越境して行ったと考えられるのである。越境というか、観葉植物が植えられている鉢を自分が多少ずらしたのだ。それで枝が多少隣の家の敷地にはみ出してしまって、それに気を悪くしたのか、反発するように隣の家も観葉植物の葉を伸ばしに伸ばして、我が家の玄関に越境して来るようになってしまった。申し訳ないので、お正月前にこちらから隣に越境している我が家の枝を切り落としたのだが、隣から越境して来る隣の家の葉っぱはそのままになっているのだ。
これが尖閣(せんかく)諸島だったりすると国家の尊厳に関わる大問題だ!!となって大変な騒ぎになるのだろうが(笑)、同じような諍(いさか)いを小学生の子供の頃、自分はともだちとの間(あいだ)で起こしたのだった。
確か書道の時間が終わって、廊下の洗面所で硯(すずり)と筆(ふで)についた余った墨(すみ)を水で落としている時に、あまりにも蛇口からでる水の勢いが強くて、隣で洗っていたともだちに墨がかかってしまったらしく、ともだちが自分のYシャツに仕返しとして墨をかけて来たのである。嫌なやつだと思い、やり返してやった。すると、ともだちもやり返して来て。さあ、大変!収拾(しゅうしゅう)がつかなくなってしまった。(笑)
やったら、やり返す!!(┬┬﹏┬┬)
目には目を!!ԅ(¯﹃¯ԅ)
歯には歯を!!(;´д`)ゞ
ハムラビ法典👳♂️のごとく、その場は修羅(しゅら)と化して、周りが先生を呼んできてようやくその場は収まったのだが、二人の姿は真っ黒になってしまった。🧟♂️🧟♂️(笑)
子供なので、喧嘩、両成敗(けんか りょうせいばい)、二人は先生から厳格なお叱りを受けて家に帰されたのだが、どちらかと言うと私の方が悪いと言われているようだった。理由はそのともだちが着ていた体育着がおろし立てで、その日、初めて着て来たものらしく、付いた墨がもう落ちないので可哀想だが捨てるしかないとのことだったように思う。
その話を家に帰って夜、渋々(しぶしぶ)母親にすると、烈火(れっか)のごとく叱られると思っていたのに、あまり怒られなかった。それどころかなんだか嬉しそうな顔をされたのを覚えている。
”馬鹿ね。アンタの着ていたYシャツもおろし立てのおニューだったのよ。”😒
”Yシャツの方が体育着より全然高いに決まってるじゃない。”😊
と言われたのだった。
母親のその時の笑顔が何だったかと今思うと、こんな全身真っ黒になるまでともだちと喧嘩(ケンカ)して、ヤンチャだけどスクスク育ってる自分の子供の姿を見て嬉しかったのかもしれない。
今となってはもうそんな子供の頃の元気もなくなったのか、それとも大人として成長したからかもしれないが、隣の家からはみ出して来る葉っぱに、仕返しをする気は今のところ、さらさら無くて、隣の家を”可哀想な親子だ。”と見下している自分の姿があるだけなのである。
墨(すみ)を塗(ぬ)りたくりあった、そのともだちはバトミントンの選手になり、結構いい成績を収めてたような気がする。その後は知らない。