地方都市における加速主義の有効性
加速主義というのは、腐敗しつつある社会システムはさらに腐敗をすすめどうしようもなくなり崩壊して初めて、新しく建設的な社会が構築されていくという考えである。
2020年現在、この加速主義を身をもって体感した事例があったので記録として残しておく。
この話を言い換えると、衰退しつつある日本の農林水産業とそれを主な産業としてきた都市について、このまま崩壊していく町と新たな産業にありついて立て直していく町の違いについて考えることになる。
ここでは、二つの町の違いを考える。
一つは香川県のとある市でもう一つは秋田県のとある市だ。香川県の方は米を主な産業としており、秋田県の方は漁業を主な産業としていた。
どちらの産業も衰退の過程にあるが、新たな産業への移行が進んでいるのは秋田の方だ。
この違いはどこから来るのかというと、香川県の農業は採算が取れなくても国などの補助金によってなんとか成り立っていたり、田んぼを他の用地に転用できないことなどによって、事実上稲作を継続している。それに対して、秋田県の漁業は過去の乱獲による漁獲高の減少、海外の養殖魚の増加、地形的に養殖ができない点などにより、漁業者がほとんど利益が取れない状況になっている。
この秋田の状況に対して、産業がほとんど成り立たなくなった結果、新たな洋上風力の事業が行われようとしている。
別の角度から考えると、既存のシステムの頂点、ここまでの話の中では、漁協、農協の役員達など、が威張ることができなくなるまで産業が崩壊することが新たな産業を受けれるための必要条件になるのだということがわかる。