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小中高生に語る超勉強講座:第3回概要

◆第3回 基礎は難しくて退屈。できるだけ早く尾根に行く
      <講義の概要> 


1.基礎は難しくて、退屈
◆ 基礎が重要といわれるが、基礎は難しくて退屈

 「勉強は、基礎から徐々に積み上げよ」と言われます。
 「基礎が大事。しっかりと習得しなくてはいけない」とも言われます。
 真面目な学生は、これを忠実に守ろうとします。

 しかし、基礎は難しいし、退屈です。
 「基礎が分からないからそこで立ち止まってしまって。先に進めない」ということは避けるべきです。
 何事も、出発することが重要です。

2.分からなくても先に進む
◆ 分からなくとも、進む

 基礎が難しいというのは、算数・数学において、顕著です。
 数、直線、平行など。
 多くの人は完全に理解せずに進んでいますが、それでよいのです。
 「基礎が分からなくても良いから、とにかく進んでしまう」ということです。これを、「数学は真ん中からやれ」と言った人もいます。

 数学の公式は、導出法を理解できなくても良いから、その公式を使えればよい。使っているうちにだんだんわかってきます。
 問題の解き方が考え出せなければ、答えを見てそれを覚え、先に進めばよい(これが、第1回の講義で述べたことです)。

◆数学は真ん中からやる
 ただし、2次関数も知らずに微分法はできません。
だから、「真ん中」からということになります。

◆ 英語も、単語や文法だけでは退屈。文章を覚える。
 英語も、単語を覚えたり、文法を覚えたりだけでは、少しも面白くありません。それよりは、シェイクスピアを覚える方がずっとよい。

 漢字の書き方だけ勉強していても面白くありません。
 文章の書き方の基本などというの勉強していても、少しも面白くありません。それより、質の高い文章をたくさん読む方が良い。そうすれば自然に良い文章の書き方が身に付いてきます。

 漢文の素読は、意味もわからずに読んで、覚えています。 それで良いのです。
 国語もそうです。古今和歌集 仮名序を覚えたらどうでしょう。

◆ 実践的な場でも、「分からなくても進む」
 これは、もっと実践的な場でも成り立ちます。
 例えば、「スマートフォンの使い方の基本」などをやっていても、少しも面白くありません。それよりは、スマートフォンを使って何かをやってみるほうがずっとよい。そうすれば、スマートフォンに興味がわいてくるでしょう。Learning by Doing.
 以上の方法論をまとめると、「分からなくても、先に進め」ということです。基礎を習得してから先に進むのではなく。 

3.高いところに登ると下がよく見える
◆頂上まで登れば構造が分かる、

 麓の山道では、視界が開けません。面白くありません。
 登って、視界が開けると楽しくなってくる。
 そして、頂上に行けば、世界の構造が分かる。
 アリの目でなく、鳥の目で見る。
 勉強もこれと同じことです。

◆先に進めば、基礎概念の意味が分かる
 あるところまで来れば、最初は分からなかった基礎概念が、どういう意味だったかわかります。
 鶴亀算は連立方程式を使えばすぐ解けます。
 本を読むとき、つねに目次を参照すること。
 論文は結論を見れば、構造がわかります。

4.ヘリコプター勉強法
◆ 山の頂上に行くのに、手助けを借りてもよい。

 ただ、完全には分からないで先に進んでいるのだから、手助けがあった方が必要です。
 ヘリコプターで高いところまで連れて行ってもらえるなら、そうしても良いでしょう。では、何がヘリコプターになるでしょうか?

◆上級クラスの教科書を読む
 百科事典で調べてしまってもよい。
 ウエブでもよい。ただし、ウエブの記事にはどの程度信頼がおけるか分かりません。注意が必要です。
 数年先の上級クラスの教科書を読んでいると、いまやっていることの意味がよくわかります。
 過去問も一つの資料。
 歴史小説を読めば、つぎつぎに興味が広がるでしょう。

◆ 勉強競争 
 先に進むことが友達同士の競争になるような学校であれば、とても良いでしょう。
 自慢しあえる友達がいると、良い競争になります。
 先生いじめのために、難しい質問を教室でしてもよいでしょう。

◆「勉強は楽しい」と思うことが1番重要
 勉強は楽しく面白いものだということが実感できなければ、勉強は進みません。
 勉強が苦しいと思うのでは、悪循環に陥ります。

◆ 勉強の3原則
1. 部分を積み上げて全体を理解するのではなく、全体を把握して部分を理解する。重要な2割が何であるかを把握する。

2. 8割分かったら、先に進む。解き方は覚える。百科事典の助けを借りる。

3. 勉強は面白い 。勉強は味方だ。勉強できる機会が与えられたのは、ありがたいことだと感謝する。

◆◆ カリキュラム、入学試験の内容について
 ワープロの発達で、漢字は書けなくとも読めればよい時代になりました。漢字を書く試験は、止めにすべきだと思います。
 鶴亀算は基礎にもなっていません。発展性もありません。なぜこんなものが中学校の入学試験に出てくるのか、不思議です。



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