「超」メモ革命 ―個人用クラウドで、仕事と生活を一変させる:全文公開 第1部第1-1章の5
『「超」メモ革命』(中公新書ラクレ)が刊行されます。
5月7日から都心の書店で、5月10日から全国の書店で発売予定です。
これは、第1部第1-1章の5の全文公開です。
5 「超」メモは、ずぼらで、いい加減なやり方でも使える
いい加減な方法でもよいから出発する
以上で述べたように、「超」メモは、最初から完全な体系を作らなくとも、かなりいい加減で不完全な方法でも、十分に使うことができます。徐々に体系を整えていけばよいのです。
私の「超」メモのファイルの中には、いまだにタイトルもついていないし、検索用キーワードも設定しておらず、またインデックスページからのリンクを貼っていないものもあります。
こうしたファイルはあまり重要でないことが多いのですが、時間があるときに調べて、必要であれば検索用キーワードやインデックスページからのリンクをつけておけば、後から使えるようになります。
また、キーワードやリンクの体系も、最初から完全なものを作る必要はありません。
と言うより、いつになっても完全なものはできないのかもしれません。なぜなら、問題意識は時間が経つと変化するので、昔作った仕組みでは使いにくくなるからです。「超」メモの長所は、このような状況の変化に対しても、常に仕組みを更新し、改善していけることです。
最低限必要なのは、Google ドキュメントをダウンロードして、ここに入力することです。ダウンロードが面倒と思われるかもしれませんが、1回だけのことです。
音声入力は必須ではありませんが、これによって入力作業は飛躍的に簡単になります。歩きながらでも、あるいは寝た姿勢でもメモができます。
必要なものは、最低限、スマートフォンだけ
「超」メモを作り、使うために必要なものは、最低限、スマートフォンだけです。PCがあれば、もっと使いやすくなるでしょう。また、これを作り運用するのに、特別な知識は必要ありません。
なお、会社から支給されるスマートフォンには、Google ドキュメントのダウンロードが認められない場合があるかもしれません。これは、まったく不合理な制約だと思うのですが、会社の規則であれば、やむを得ません。自分でスマートフォンを買うしかないでしょう。
ただし、「超」メモは、会社の仕事を能率的に進めるためにも大変強力な道具となるので、Google ドキュメントのダウンロードを認めるよう、会社に働きかけましょう。
無限にためて瞬時に引き出す「超」メモ
以上で述べたことをまとめれば、「超」メモとは、つぎのようなものです。
1 スマートフォンの音声入力機能などを利用して、思いついたことや、記 録に残しておくべきことを、いつでもどこでもすぐに Google ドキュメン トに記入する。
2 適切なキーワードの体系を作ることによって、後から必要なページを引 き出す。これは、書籍でいえば、索引に相当する。
3 ページ(ファイル)間にリンクを貼ることによって、体系を作る。これ は、書籍で言えば、目次に相当する。
以上によって、「無限にためて瞬時に引き出す」という仕組みが、誇大広告ではなく文字通りに、出来上がります。
つまり、「情報をクラウドに上げることによって、検索とリンクの仕組みが可能になり、いくら複雑で巨大な体系でも自由自在に操れる」ということです。その意味で、これは、AI(人工知能)とクラウドの時代におけるメモ帳なのです。
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