アイディア農場プロジェクト:「超」勉強法(その2)
このページは通読用のものではありません。
ここにあるのは、思考の断片、アイディアの種です。
毎日ひとつを取り上げて読み、それに対して考えを巡らせてください。
そこから、新しいアイディアが芽を吹き、成長することを期待します。
以下は、『「超」独学法』からの断片の続きです。
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・勉強の最も強いインセンティブは、好奇心である。面白いから、楽しいから勉強するのだ。
・研究者は、社会に貢献しようとして研究しているのではない。面白いからやっているのだ。
・「教えるために勉強する」のでなく、「勉強するために教える」のである。
・勉強の成果は努力に比例しない。勉強のコツは「集中すること」。
・努力すること、真面目にやること、時間をかけること、これらは確かに重要であるが、それだけでは成果は挙がらない。「どこに努力を集中するか」こそが重要だ。不均一な努力こそが重要だ。
・私が強調したいのは、「途中で分からないところがあっても、とにかく全体を把握せよ」という勉強法だ。とにかくできるだけ早く山頂に登る。
なぜこの方法が効率的なのか? それは、「高いところから見れば、よく見える」からだ。
・全体を把握すれば、個々の部分がどのように関連しているかが分かる。とにかく最後まで行ってしまえば、何が重要かが見える。なぜ、ある概念が必要だったのかが分かる。個々の概念がどのようにつながっているかが分かる。
・「可能か不可能か」の見極めは大変重要なことである。可能ということが分かっていれば、挫折しない。
・私は図書館に行ってアサインメントの本を借り出し、本を地(本を立てた場合、下側になる切り口)から眺めた。すると、ページが黒くなっている部分がある。黒くなっているのは、その箇所がよく読まれていることを示している。多くの学生は、その本を最初から最後まで一様に読んだのではなく、黒くなっている部分を読んだのだ。これは、つまり、その部分が最重要ということだ。多くの場合に、それは本全体の2割にもならない。
・私は本を読むときに、線を引いたり書き込みをしたり、本の最初の余白の部分に要約を書いたりしている。これは、私なりの索引である。後になって読み返す場合に便利だ。「本をきれいに読まなければならない」というのは、間違いだと思う。
・独学は新しい働き方を可能にする。
・これからの社会で必要になるのは、「シグナル獲得のための勉強」ではなく、「武器獲得のための勉強」である。つまり、「大学に入学するための勉強」ではなく、「実力を高めるための勉強」である。
・日本経済停滞の大きな原因は、勉強が大学入試までで終わってしまうことだ。しかし、それが変わりつつある。
・最初は何も分からなかったのに、だんだん分かる部分が多くなっていく。それまで霧の中でおぼろげにしか見えなかったものが、次第にはっきり見えてくる。これは、楽しいことだ。
・「何を知るべきかという方向づけを明確にすること」。これこそが、独学における最も重要な課題である。
・「Learning is earning(学習は稼ぐことだ)」という言葉を聞くと、学習を収入に結びつける実利主義のようで、反発する人がいるかもしれない。しかし、コネ・縁故・情実などで就職が決まることに比べればずっと透明でずっと公平だ。
・何かを知りたいと思うのは、知識があるからだ。そして、質問を発することによって、探求が始まる。知識が乏しい人は、疑問を抱くこともなく、したがって、探求をすることもなく、いつになっても昔からの状態に留まる。
・勉強する場合も、とにかく勉強を始める。方向が間違っていると思ったら、修正すればよい。これをlearning by learningということにしよう。
・独学が優れているのは、learning by learningを実行できること。学校に入って勉強すると、こうはいかない。
・間違ったと気づいたときに軌道修正するのは、それほど簡単なことではない。これまでの努力を惜しいと思ってはいけない。それは、サンクコストで、取り返すことはできないものだ。
・過去に起こったことは、コントロールすることはできない。考えるべきは、将来起こる事態である。英語では、Let bygones be bygones という。
・Let bygones be bygonesとは、単なる同語反復か?そうではない。その証拠に、多くの人がいつまでもbygonesに囚われる。
・独学を続けるための最強力の方法がlearning by teaching.
・受験秀才が伸びないのは、与えられた問題だけを解いていたから。社会に出ると、正しい問題を探し出すことが重要になる。