必要とされるのは、流動性の供給であって、株価対策ではない
日本銀行 は、3月16日の 金融政策決定会合で、上場投資信託(ETF)の購入目標額を12兆円に倍増した。
それにもかかわらず、日経平均株価 は前日比マイナス429.01円となった。
株式市場が恐れているのは、行動制限や集会自粛によって需要が抑えらるために一時的に売上げが急激に落ち込み、それによって連鎖倒産が発生することだ。
これは、ETF購入では抑えることができない。
行動制限>売上げ減少>資金繰り ショート>倒産>連鎖倒産> マネー の流れがストップ>経済活動が停止。これが一番恐ろしいシナリオだ。政府・ 日銀 は、全力を挙げてこれを食い止める必要がある。
いま日銀が全力をあげるべきは、資金繰り対策だ。つまり、流動性の確保(マネー の流れを止めないこと)である。
社債やCPの購入も考えられるが、これらは、大企業、それも優良企業でないと発行できない。
資金繰りに苦しむのは、ずっと広範囲の企業だ。
資金繰り対策として公的金融機関による緊急融資が始まるが、それだけでは十分でない。
個人事業者、フリーランサーなども対象とする必要がある。また、企業の業績悪化で今後解雇される可能性がある雇用者も含む。
資金繰り能力が最も高いのは政府・日銀なのだから、現行法規の下で可能な限度一杯までの施策を動員すべきだ。
現在の法律を改正することなしに、ほぼ 無限の流動性 を日本経済に供給する方途があるはずだ。