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コロナが人々の所得に与える影響は、人によって大きな差がある。ほとんど影響を受けていない人がいる半面で、大きく落込んでいる人がある。これまでもあった格差が拡大し、新しい格差が生じている。政府の対策は、こうした事情に適切に対応できていない。また、状況が人によって大きく違うので、政策についての合意も難しい。 1.賃金水準 はあまり大きく下落していない。業種別にも企業規模別にもあまり大きな差はない。売上高が極めて大きく減少している宿泊業、飲食業、娯楽業においてさえ、下がっていない
政府の見通しでは、2021年の日本経済は、2019年の水準に戻る。株式市場はさらに強気だ。しかし、OECD予測の「ダウンサイドシナリオ」では、2021年の世界経済は、マイナス成長が続く。どれが本当の姿なのか? ◆五里霧中の経済 今年ほど一年の見通しがつかない年は、これまでなかった。誰もが五里霧中状態 で歩かざるをえない。 政府の経済見通しで は、日本経済はコロナ前の状態に戻る。2021年の名目GDPは一昨年とほぼ同額になり、実質成長率 が4%になる。 しかし、これが