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貧乏サラリーマンが見た世界442

多くの人々が語るようにグローバリゼーションのダイナミクスは確かに変化したようだ。先週世界経済フォーラムの年次総会である通称ダボス会議には日本からも数は少ないものの、玉木雄一郎さんとか赤沢経済・財政再生相、平デジタル相が出席したようだ。彼らが何らかの発信をしたのかどうかさえ明らかではないが、いずれにせよ何も報道されず、全くもって国際的な場所での発信力はまるでない。そんな中でも竹中平蔵さんが世界経済フォーラム理事というのが何とも奇異に感じるのは自分だけだろうか。自分はなんちゃってながら、友人が代表を務める英国ファンドの経営諮問会議メンバーに名を連ねているが、その彼はダボス会議に出席し、スピーチも行った。彼が見たものとは、グローバリズムという統一された世界的風景の代わりに、熾烈な競争が「3つの極」で行われているというものながら、米国、欧州、中国というのが3極ではないだろうと自分は思う。欧州は余計だ。世界の国々は、米中の経済圏において自国に経済成長と国家安全保障を提供する極に入る方向にあるというのが自分の見方である。米中間で揺れるどっちつかずの日本は経済は停滞し、敗戦後頼りにして来た日米同盟の綻びも大きくなりつつある。今週に入り、DeepSeekが経済性の高いAIモデルにより技術のブレークスルーを達成したと報道され、米国株式市場においてエヌビディアの株価が暴落した。世界はやはり米中2極対立の時代に入っている。そうした中、ダボス会議へ参加した経済人は、地政学的緊張が高まり経済貿易戦争が想定される中、資本配分に関する専門知識とネットワークを活用し、変化する世界の中で資本はどこへ流入しているのか?自分が儲ける場所はどこなのか血眼になって探しているのだ。具体的には電力インフラのボトルネックの解消、サプライチェーンの制約への対応、電力リソースの過大使用に関する人々の懸念解消、データセンターそのものの環境への影響の増大への対応等において資本をどこに投ずればリターンが最大化するのかを考えているのだ。自分が見るところデータ集約型テクノロジー周辺で真に必要とされる技術とその開発に向け、それを支えるものは上述の具体的課題の中で何が一番儲かるのかを見極めることが必要だといったところだろう。ただ、やはり、有望なコンピューティング スタートアップ企業への投資や買収のための資本の提供というのが一番手っ取り早いだろう。その結果として生まれる資本が提供されるという環境こそが、コンピューティングのフロンティアを前進させようと意欲に燃える次世代の若い起業家やコンピューター サイエンスの大学院生にとって、魅力的な場所であり、それは中国ではなく依然米国なのだろう。66歳、既に前期高齢者である自分は稼いでももはや使うところもなくトカ田舎で質素に暮らしていければ十分で、呆け防止の意味で世の中の趨勢を眺めながら緩く働いている。

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