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#077 やさしいポートフォリオ分析(3) - 「満足度」のプロット

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今回は、ポートフォリオ分析に関する特集の3回目。

前回集めたアンケートを集計し、まず、その商品・サービスの各要素がどれだけ顧客の支持を集めているかを調べてみたいと思います。

ちなみに、今回集計に使用したデータは以下の URL で公開しています。
Google Spread Sheet 形式です。ぜひ参考にしてください。

Microsoft Excel 形式でダウンロードすることもできます。
ご自由に改変して再利用頂いて結構です。

ポートフォリオ分析サンプルhttps://docs.google.com/spreadsheets/d/1jDBg7vOCImY2PHBHDr7iCYeKOY6BNfFXzcFRAjxdS_k/edit?usp=sharing

「満足度」とは

「満足度」とは、その製品・サービスの各要素(評価項目)それぞれについて、顧客からどれくらい支持を受けているかを数値で表現したものになります。

分析サンプル1

上の図は今回用意したポートフォリオ分析のサンプルデータ。
コンシューマ向けワイヤレスイヤホンの顧客アンケートを行ったという想定で、10人分のアンケート結果を分析してみたいと思います。
(データはすべてダミーです。)

前回ご説明したように、本来でしたら100名分くらいは集めたいところですが、今回は説明を簡単にするために10人分のデータとさせて頂きました。
計算方法自体は100人でも400人でも同じです。

上の、「Aさん〜Jさん」の表が、アンケートの結果を記入した表になります。
各要素について、0点〜10点の、11段階で評価してもらったという想定です。

分析サンプル2

満足度は、その商品・サービスの各要素が、顧客からどれだけ評価されているかを表しています。
上の図のように、Aさん〜Jさんの「デザイン」に関する評価点を統計的に処理することで、その商品・サービスの「デザイン」に対する満足度を計算することができます。

この「満足度」の計算方法にはいくつかの種類があります。
代表的なものを以下で見ていきたいと思います。

「満足度」の計算方法1: 平均をとる

もっともよく使われるのが、10人の評点の平均をとる方法です。

分析サンプル3

10人分の評点を合計し、人数で割ると平均点が出ます。
Excel や Google Spread Sheet を使う場合、「AVERAGE」という関数を使うと簡単に平均が出せます。
上の例では、小数点以下第2位で四捨五入するため、更に「ROUND」関数を使用しています。

今回の例だと、一番平均点が高いのが「機能」で「7.4点」、最低が「価格」で「3.7点」です。
お客さんは、価格が高いことに対して不満を持っているようですね。

「満足度」の計算方法2: 特に高い評価をした人数を数える

次に紹介するのが、特に点数の高い回答をしてくれた回答者の数をカウントする、という方法です。

分析サンプル4

この例では、各要素について8点以上の点数をつけた人が何人いるか、をカウントしています。
集計には、「COUNTIF」という関数を使用しています。

この集計方法では、特に趣味性の高い商品において、自社の製品の「特長」がきちんと「顧客に刺さっているか」を確認することができます。
中途半端に良い評価では意味がなく、8点以上の突き抜けた高評価がその商品にとって必要である、という場合に使います。

例えば、その商品を「世界一の音質」という売り文句で、音質のためなら価格は妥協しないマニア向けに売りたい場合、「音質」の評点は6点や7点と言った中途半端な評価ではなく、9点や10点をとりたいはずです。
そのような場合に、8点という高い点数にしきい値をおき、その点数以上の評価をしてくれた顧客が何人いるかを集計します。

今回の場合、「機能」について8点以上の点数をつけた人が一番多いようですが、それでも5人しかいないので、商品の特長、と呼ぶには少々弱い気がします。

「満足度」の計算方法3: 特に低い評価をした人数を数える

逆に、特に低い点数をつけた顧客が何人いるかをカウントする方法もあります。

分析サンプル5

この例では、満足度4以上の点数をつけた人が何人いるか、をカウントしています。
集計には同じく「COUNTIF」関数を使用します。

満足度4点以上をつけた人が何人いるか、というのは、言い換えれば「満足度3点以下の、特に低い評価をつけた人が何人いるか」を示しています。

このような集計は、トイレットペーパーやミネラルウォーターのような日々使用する最寄り品(日用品)において、その商品を購入選択から外したネガティブな要素を探すのに使われます。

今回の場合、「価格」について不満を持っている人が(10-5で)5人います。ここを改善することでこの商品の大きなネガティブ要素を消すことができるように思います。

今回のサンプルからわかることと、次回の予告

さて、今回の「満足度」の結果をみると、どうやら、この商品は、
「価格」「デザイン」あたりに問題があり、
「機能」「装着製」あたりは概ね好印象。
「音質」は、まあどちらでもないかな、
という評価を読み取ることができます。

では、次に、これらの評価に対し、どのような優先順位をつけて対応していくべきかを判断していきましょう。
そのためには、各要素の「重要度」を計算する必要があります。

次回は、この「重要度」の計算方法についてまとめたいと思います。

まとめ。

(1) 「満足度」とは、その製品・サービスの各要素(評価項目)それぞれについて、顧客からどれくらい支持を受けているかを数値で表現したものになります。

(2) 「満足度」の代表的な算出方法には、(1)各要素の評価点の平均をとる方法 (2)特に高い評価をしたサンプル数(ユーザー数)を集計する方法 (3)特に低い評価をしたサンプル数(ユーザー数)を集計する方法、があります。

(3) それぞれの算出方法には向き・不向きがあります。商品・サービスの特性によって、どのような算出方法が適切かを見極めた上で集計結果を読み解く必要があります。

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(ここに書かれている内容はいずれも筆者の経験に基づくものではありますが、特定の会社・組織・個人を指しているものではありません。)

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