#018 仕事用のかっこいいメールアドレスを作る - (1) 専用アドレスのメリット
最近は仕事でも Slack や Line などのコミュニケーションツールを使うのが流行っているとはいえ、それでも無くならないのが電子メール。
特に、初めてお付き合いさせていただくお客様など、まだ深い繋がりのない相手とのコミュニケーションには電子メールは欠かせません。
ある程度ITインフラが整備されている会社の場合は入社時に仕事用のメールアドレスが割り当てられるのが普通ですが、フリーランスや個人事業主の場合、自宅で加入しているプロバイダ(so-netなど)でもらったメールアドレスや、Gmailなどの無料メール、さらには携帯キャリア(docomoなど)のケータイアドレスをそのまま仕事にも使っている場合が多いように思います。
今回からは、全6回の予定で、主にフリーランスや個人事業主の方が仕事用のかっこいいメールアドレスを取得・運用する方法についてまとめたいと思います。
およそ年間5,000円弱の費用で、自分専用の好きな文字列のメールアドレスを持つことができます。
(1) 専用アドレスを取得するメリット ← 今回
(2) ドメイン名を決める
(3) ドメインを取得する
(4) サーバーを契約する
(5) メールソフトの設定
(6) Gmailとの連携で更に便利に
メールアドレスの仕組み
メールアドレスは以下のような構造になっています。@(アットマーク)を挟んで、左側をユーザー名、右側をドメイン名、と呼びます。
(ユーザー名)@(ドメイン名)
例えば、
foobar@example.com
というアドレスの場合、ユーザー名は "foobar"、ドメイン名が "example.com" になります。
例えば、皆さんお馴染みの Gmail の場合、ドメインの方は gmail.com という文字列固定で、ユーザー名の方のみ、自分の好きな文字列を選んで使う事になります。
今回は、この、@の右側のドメイン名の方も、自分の好きな文字列を選んで運用しようというお話です(以下、"独自ドメインのメールアドレス"と呼ぶことにします)。
まず、メールアドレス取得の具体的な方法の前に、こうした独自ドメインのメールアドレスを使用することでどういうメリットが得られるかを簡単にまとめておきましょう。
メリットその1: 仕事用のアドレスとプライベートのアドレスを分けられる
プライベートのアドレスをそのまま仕事でも使おうとすると、友達や家族からのメールも同じメールボックスに入ることになり、どうしても管理するのが大変になります。
また、アドレス帳を分けることも難しいため、友達から来たメールの返事を間違ってお客様に送ってしまうなどのトラブルの可能性も増えてしまいます。
また、こうしたプライベートのメールアドレスは、得てしてSPAMに狙われることが多いのではないかと思います。業務用のメールアドレスに独自ドメインを設定することで、そちらには SPAM メールが届きにくくなるような環境を作ることができます。
メリットその2: プロバイダや携帯のキャリアを変えても同じアドレスが使える
プロバイダや携帯キャリアから割り当てられたメールアドレスを使っていると、プロバイダを乗り換えたり、携帯キャリアを変更したりするとそのアドレスが使えなくなってしまいます。
以前の名刺に書いていたメールアドレスが使えなくなるというのは、業務を受託する上で大きなデメリットです。予め独自ドメインのメールアドレスを使っていれば、こうしたトラブルを未然に防ぐことができます。
メリットその3: 同じドメインに対して、用途毎に複数のメールアドレスを作ることができる
独自ドメインのメールアドレスを使う場合、適切なサーバーと契約すれば、@の左側のユーザー名の部分を、自由に、たくさん作ることができます。
例えば、example.com というドメインを持っている場合、
order@example.com
support@example.com
seminar@example.com
chusho-shindan@example.com
:
といったアドレスを、ほぼ個数無制限で作ることができ、用途毎に使い分けることができます。
ちなみに、プライベートのアドレスでもこの機能は役に立ちます。特にお勧めなのが、通販サイトやWebサービス毎に別のアドレスを作っておいて、サービス毎に使い分けるという方法です。
例えば、
楽天には、rakuten@example.comというアドレスを、
Amazon には amazon@example.com というアドレスを、
それぞれ登録しておくようにすると、例えば特定のアドレスに SPAM が届くようになったとき、そのアドレスがどのサービスから流出したかがすぐにわかります。
メリットその4: 専用アドレスにすることで、お客様からの信頼を得られる
たぶんフリーランスの方にはこのメリットが一番大きいのではないでしょうか。
例えば、
Webデザイナーなら mail@○○-design.com
コンサルタントなら mail@○○-consulting.com
といったアドレスが名刺に書かれているだけで、お客さんからの信頼感が違ってくるように思います。
自分のテンションも上がりますよね。
メリットその5: メールアドレスの文字列で自分を表現することができる
上記に書いた、○○-desigin.com のように、ドメイン名で業種を表現することもできますし、業種では無く、自分の好きなもの・アーティスト・言葉、などをドメイン名にすることで、自分を表現するのも面白いと思います。
また、ドメインの最後の部分(.com とか .jp など。トップレベルドメイン:TLDと呼びます)には、あまり知られてないものがあったりして、そのような特殊な TLD を使う事でちょっとおもしろいドメインを取ることもできます。
例えば、私は最近、".io" という TLD を活用して
tadayuk.io
というドメインを取得しました。
自分の名前がそのままドメインになっている、というちょっとした遊びです。
次回は、こうしたドメインの探し方、決め方についてまとめていこうと思います。
まとめ。
(1) メールアドレスは、@の左側の"ユーザ名"と、@の右側の"ドメイン名"から構成されています。通常は、ユーザ名にしか自分の好きな文字列は設定できませんが、月5000円弱の費用で、@の右側のドメイン名にも自分だけの文字列を設定して運用できるようになります。
(2) 独自のドメインを設定したメールアドレスを使う事で、メールの整理が楽になる、お客さんからの信頼感が得られる、などのメリットを得ることができます。
(3) 次回以降、このような独自ドメインの取得・運用方法を、具体的に説明していこうと思います。
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(ここに書かれている内容はいずれも筆者の経験に基づくものではありますが、特定の会社・組織・個人を指しているものではありません。)