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#017 プロコンメソッド

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こんにちは。中小企業診断士見習いの多田と申します。

日々、何かしらの意志決定をしないといけないことってたくさんあると思います。
・おやつのお菓子を食べようか我慢しようか
・職場の飲み会に誘われたけど、行こうかやめようか
・給料が入ったので、前から欲しかったあの靴を買おうかやめようか
・次の土曜日のお休み、遊びに行こうか資格のための勉強をしようか
等々…

今回は、こうした選択に対して、目先の欲求に流されるのでは無く、一歩引いた視点で冷静に考えられると良いなと思って始めてみた方法をまとめてみたいと思います。

応用編として、周囲から何か相談された際にこの方法を応用すると、ちょっとできるマネージャーを演出することができます。
(もちろん、それっぽく見えるだけでは無くて、実際にその後の議論を建設的に進めることもできるようになります。)

「プロコンメソッド」とは

プロコンメソッドとは、何か意志決定をする際、それをやることで得られるメリット・長所(Pros)と、デメリット・短所(Cons)それぞれ3つ出してみた上で意志決定を行う方法です。
(ちなみに、このプロコンメソッドという呼び方、特に誰かがつけた名前では無く、私が勝手にそのように呼んでいるだけです… 念のため)

この、「3つ出してみる」というところがポイントで、1つ目・2つ目あたりのメリット・デメリットは無意識のうちに検討しているものですが、頑張って3つ目を考えてみると、それまで気がついていなかった項目が出てくる事が多いです。

プロコンメソッドの具体例

ここでは、「職場の飲み会に誘われた場合の意志決定」を例にして、プロコンメソッドの使い方をみてみましょう。

まずは、Pros(メリット)を3つ考えてみます。

(1) 職場の人と仲良くなって今後の仕事がやりやすくなる
→ まあこれは当たり前、というか、このために行くようなものですから…
(2) 飲み会のお店をネットで調べたらなかなか良さそうなお店だった
→ これもありますよね。料理とかお酒が美味しいお店だとテンション上がります。

で、大抵はこれくらいで終わっちゃうところ、もう一つくらい何か良いところ無いかと思って探したら、ありました。3つ目のメリット。

(3) お店の近くに、前から行ってみたいと思っていた本屋さんがあった

→ ちょっと早めに会社出て、前から行きたかったお店に寄ってみる、というのも良いですね。これは、意識して考えないと思い出せなかったかもしれません。

次に、Cons(デメリット)について。

(1) お金がかかる。

→ 職場の飲み会の回避だと、5000円くらいが相場でしょうか。本4〜5冊、映画3本、シャツ1枚、と比較するとちょっともったいない感じがしますが、メリットと比較するとまあ仕方ないかな。
(2) 時間がもったいない。
→ 2〜3時間くらいでしょうか。まあこれも仕方ないですね。あきらめましょう。

で、やっぱり、2つくらいで止まっちゃうんですが、やっぱりありました。3つ目。
(3) 飲み過ぎたあげくにはしゃぎすぎてしまって、職場の人に白い目で見られるリスクがある
→ これは気をつけないといけません。下手するとメリット(1)をつぶしかねないですね。

…と、こうやって考えてみることで、新たなリスクを発見することができました。これで当日はお酒を飲み過ぎないように気をつけることができそうです。

仕事への応用

このプロコンメソッド、簡略化することで他人からの相談や質問に回答する際に役立てることができます。

例えば、会社の部下から
「この仕事はこうやって進めようと思うんですが、どう思いますか?」
と聞かれた際、
「ちょっと情報が足りなくてよくわからないので、そのやり方のメリットとデメリットを一つづつ教えてもらえますか?」
といった感じで質問してみます。

この質問をすることで、相手もその件について深く考えることができますし(大抵はメリットだけに目が行っていて、デメリットを考慮していないことが多いです)、自分もその質問事項に対する理解を深めることができます。
また、質問自体の汎用性が高いので、どんな業務に関してもほぼ同じ質問が使えるのも良い点です。

(ただし、質問に対して質問で返すことになってしまうので、若干上から目線の印象を与えてしまう可能性があります。上司に対して使う場合は気をつけましょう。)

まとめ。

(1) 「プロコンメソッド」とは、何か意志決定を迫られたときに、それをやることで得られるメリット・長所(Pros)と、デメリット・短所(Cons)をそれぞれいくつか出してみた上で意志決定を行う方法です。私が勝手に名付けました。
(2) 普通、何か意志決定する際にはそれで得られる利点1つしか見えていない事が多いですが、強制的に良い点・悪い点を3つ上げてみることで、本当にそれが今必要なものかどうかを再考するきっかけを得ることができます。
(3) 応用編として、例えば周囲から「これやりたいんですけど」といった相談が来た場合に、「それをやることによるメリットと、デメリットを1つづつ教えて」という質問をすることで、その質問に対する理解が深まると共に、その後の話を前向きに進める事ができます。

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(ここに書かれている内容はいずれも筆者の経験に基づくものではありますが、特定の会社・組織・個人を指しているものではありません。)

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