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#093: 政府の統計データを無料で使える e-Stat (その1) - 静岡県の人口推移を10分でグラフにしてみる

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中小企業の診断業務をしていると、その地域の人口などの統計データが必要になることがあります。
今回は、そのような統計データを無料で取得できる Web サイトのご紹介です。

政府統計の総合窓口
https://www.e-stat.go.jp/

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どんなときに統計情報が必要?

(1) 自社の経営戦略・経営計画の立案
たとえば、その地域の人口分布がわかると、
- どの辺に出店するか
- どの辺にチラシを入れるか

といった戦略を立てるのに役立ちますし、
今後のその地域の人口がどのように変化していくかの予測データが入手できれば
- 今後どのくらいお客さんを増やすことができそうか
といった予測を行うことができます。
学習塾を開くのであれば、その地域に小学生は何人くらいいるのかは経営に必須なデータですし、住宅のリフォーム業を行うのであれば、対象となる築30年くらいの住宅がその地域に何軒あるかはぜひ知りたいところです。

(2) 銀行からお金を借りるときの資料や、補助金の申請資料に数字を入れて具体性を持たせる
例えば持続化補助金を申請するための書類を作る際、こうしたデータを入れて資料に具体性を持たせることで、審査官の印象を良くし、補助金申請が通る可能性を高めることができるように思います。
補助金を使ってこれから行おうとしている事業について、商圏の見込み客がどれくらいいるかを具体的な数字で示せれば、審査官に「この計画なら実現できそうだな」と思ってもらえるのではないかと思います。

e-Stat とは

e-Stat は、独立行政法人統計センターというところが運用している、政府統計のポータルサイトです。総務省統計局の管轄。
運用開始したのは2008年だそうです。

独立行政法人 統計センター
https://www.nstac.go.jp/

このサイトで利用可能なデータの一覧は以下の PDF にまとめられていますが、正直数が多くてこのファイルから探すのは難しいです。
サイトの検索機能でデータを絞り込むことができますので、そちらを使う方が良いでしょう。
ちなみに、本日時点で、648種類の調査データが登録されています。
中にはおもしろいデータもありますので、おいおい紹介できればと思います。

政府統計一覧表
https://www.e-stat.go.jp/estat/html/tokei_itiran.pdf

e-Stat でできること

(1) 統計データをダッシュボードでわかりやすく表示
主要な統計データをわかりやすいグラフで表示してくれます。
今回はこの機能を使って、ある特定地域の人口推移をグラフにしてみたいと思います。

ダッシュボード

(2) 地図と統計データを重ね合わせて表示する(統計GIS)
GISとは、Geographic Information System(地理情報システム)のことで、位置情報をもった色々なデータを地図上にわかりやすく表示するシステムのことを言います。
e-Statでも、例えば、商圏の人口データを地図上にヒートマップのように表示することで、どのあたりにお客さんがいそうかを視覚的に表示することができます。
これもとてもおもしろいので次回以降ご紹介する予定です。

(3) 詳細な統計データのダウンロード
Web画面上にグラフを表示するだけでなく、検索したデータをエクセルなどの形式でダウンロードして、加工して使うことができます。

では、早速、静岡県の人口推移を調べて、グラフ化してみましょう。

静岡県の人口推移をグラフにしてみる

まず、Google で「e-Stat」を検索します。e-Stat へのリンクが見つかると思います。

Google検索

以下が e-Stat のホームページ。
今回は、人口の時系列変化を見たいので、以下の「時系列表」のボタンを押します。

時系列表1

ここでは、総人口の推移を見たいので、(大分類) 人口・世帯、(系列名) 01 総人口、を選んでみます。

時系列表2

すると、自動的に、日本全国の1920年からの総人口の推移が表示されます。
1920年頃は、日本の人口って5600万人くらいだったのですね。

時系列表3

さて、次は、今回見たい静岡県の人口を絞り込んでいきたいと思います。
上のメニューの「都道府県」から、静岡県を選択してみます。

以下のように、1975年からの静岡県の総人口が表示されました。

時系列表4

ここで1点注意、ですが、上記の画面からわかるように、全国と静岡県とでは取得できるデータの数に違いがあります。(全国の方がより古いデータが登録されている)
自治体によっては、国勢調査で得られた5年ごとのデータしか取得できない場合などもあるので気をつけましょう。

さて、この画面を下の方にスクロールしていくと、「ダウンロード」ボタンが見つかります。

時系列表5

このボタンを押すと、今表示されているデータを、エクセルでダウンロードすることができます。

エクセル1

Ctrl キーを使って「時点」と「総人口」を選び、「挿入」→「折れ線グラフ」を選べば、静岡県の人口推移のグラフのできあがりです。

エクセル2

静岡県の人口はだいたい2006年頃の380万人がピークで、その後どんどん減り続けているようですね。
今後どうなるのでしょうか…

このように、e-Stat を使えば、およそ10分もかからずに主要な統計データをグラフにすることができます。
無料で使えますので、自分でいろいろ試して使ってみるのが良いと思います。

各自治体のホームページもあわせて確認しましょう

今回の静岡県の場合は、各年度ごとの人口データを取得することができましたが、自治体によっては数年分のデータしか取得できないこともあります。

そのような場合、各自治体の Web サイトに行くと、より詳細なデータや、今後の予測、自治体が計画しているマスタープランなどの情報が公開されていることもありますので、そちらもあわせて確認するのが良いと思います。

もっと高度な使い方

今後、数回にわたって、

- より詳細な検索機能を使って、国勢調査のデータをダウンロードして分析してみる
- 地図との連携
- 人口以外のおもしろいデータ

あたりを紹介してみようかと思います。

私もこのサイトの全ての機能を使いこなせているわけではないので、今回から数回にわたって、勉強しながら書いてみたいと思います。

まとめ。

(1) 経営戦略を立てたり、補助金申請の書類を作成したりする場合、自社がこれからアプローチしたいお客さんの数などを予測するために、客観的な統計データを入手することが必要になってきます。

(2) 独立行政法人統計センターが運用している「e-Stat」というWebサイトを使えば、そのような統計データを誰でも無料で入手することができます。今回は、一例として自治体の人口推移に関するデータを入手して、グラフ化する手順をご紹介しました。

(3) 自治体の統計データは、 e-Stat に登録されているデータ以外にも、各自治体のWebサイトにてより詳細なデータを公開している場合もありますので、必要に応じてそちらもあわせて参照するのが良いと思います。

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(ここに書かれている内容はいずれも筆者の経験に基づくものではありますが、特定の会社・組織・個人を指しているものではありません。)

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