
【感想】Divinity: Original Sin 2(ディヴィニティ オリジナル シン2)
(´-`).。oO(一手間違えると全滅する戦闘のヒリヒリ感が楽しい!音楽が素晴らしい!ストーリーが神話的!この物語の主人公はフェインなのでは?シナリオライターさん、彼にだけ運命の重しをかけすぎではっ!?)
【ストーリー概要】
神々の覇者、神人ルシアンは世界を飲み込む<虚無>から「リヴェロン」を救うために自らを犠牲にした。だが、神の犠牲もリヴェロンに平和をもたらすことはなかった。<虚無>の使いであるヴォイドウォークンが台頭し、世界に死、破壊、そして恐怖がもたらされた。
ルシアンの息子にして、現在、神聖騎士団を率いるアレクサンダーは、ソース使いを捕らえるために神聖騎士団を動かしている。彼の顧問であるダリスが、ヴォイドウォークンはソースの力に惹かれるという事実に気づいたのだ。
本作は、哀れにも捕らえられたソース使いたちが、その力を封印され、孤島に送られるところより幕を開ける
【以下、ネタバレ含むためご注意を…】
1 戦闘の奥深さと敵の難易度設定の妙
バルダーズ・ゲート3(以下「BG3」)の制作会社であるベルギーのラリアンスタジオが過去に似たようなゲームシステムで販売したゲームがあるとネットで調べ、早速、プレイしてみたのが「Divinity: Original Sin 2(ディヴィニティ オリジナル シン2)」でした。
日本語で直訳すると、「神性:原罪2」かな。
プレイ時間は大体200時間くらい。
バルダーズ・ゲートと同じく、自由な行動選択と4人パーティー内での仲間との軽妙なやり取りがあり、映像ではなく小説的ロマンス要素もありますが、より戦闘ゲームの戦略性に重きを置いているゲームです。
私は元々、地形による有利不利や環境連鎖が起こるターン性の戦略システムが大好物なので、このゲームも最高に楽しかった!
「ファイナルファンタジータクティクスアドバンス」「ファイナルファンタジータクティクスー獅子戦争」「トライアングルストラテジー」あたりが好きなら、ぜひぜひプレイしてみると良いかと!
BG3ではプレイヤーの1ターンに移動とアクションとボーナスアクションがわかりやすく分離されており、技の回数の上限もあるのでタイミングを見て小休憩や大休憩をとることで継戦力に限界を設けていました。
こちらのゲームは、各ターンに固定されたポイントを次のターンに、移動とそれぞれアクションに割り振って行動するので、ポイント範囲内で移動できる距離と出したい技の射程距離、次に選ぶ技のポイント数との調整を考えることになります。
次ターンへのポイントの温存とソースという特別な力の管理が効率よく大技を出す為には必要になりますし、容赦ないフレンドリーファイヤがあるので、大技を繰り出すにもターンを見極めて、連携して有利な位置取りをすることが必須になります。
その一方で、毎回戦闘では固定のポイント数が割り振られるので、技のクールダウン時間はあるものの魔法を含めた技の使用制限がほぼなく、回数制限がない寝袋道具のボタンを押すだけで即座にソースポイントも回復できるので継戦性はとても高いです。
そして、敵を倒す難易度は割と高め。
私はクラシックモードでプレイしましたが、この手の戦略ゲームに慣れていない人はルールを使いこなせるまでかなり苦戦するかもしれません。
技の構成に合わせたキャラクターの得意なスキルの育成、ルーンを使った装備の強化、連携技の構成などやり込み要素しかありません。
戦闘自体も思わぬところで突然始まったり、屋内・屋外とフィールドも様々。
毒で回復する敵がいる上、呪われた地形効果や回復がダメージを与える状態異常を敵も遠慮なく活用してくるので、1回の操作ミスでパーティーが全滅することもあります。
戦闘が始まった時に「いや、コレ絶対勝てないじゃーん!」と思ってギリギリで頑張って、何とか勝てた時の達成感が心地よい感じのゲームです。
そういうわけで、GB3よりも戦闘テンポがよく、戦略を考えるのが楽しかったです。
2.物語に寄り添うクラシカルな音楽
BG3の音楽制作を担当したブルガリアの作曲家であるBorislav Slavov(ボリスラフ・スラヴォフ)氏の音楽がゲームの世界観の骨格を形作る素晴らしい役割を果たしています。
BG3の時も思いましたが、現代のゲームにしては楽器がクラシカルミュージック寄りで、ちょっと原始的なエキゾチックな要素もある音楽。ゲーム全体を通して調和のある形で流れています。
バラードはギターが主旋律の曲が多く、懐かしさがあって美しく耳に残ります。しばらくSpotifyでサウンドトラックアルバムだけ聴き込んでしまうほど。
ぜひ、今後のゲーム界のエンリオ・モリコーネになってもらいたい方です。
以下は、お気に入りの楽曲たち。
Spotify登録されている方はぜひ、一度試しに聴いてみてくださいませ。サウンドトラックには全42曲が収録されています。
①メインテーマ
②女王の海原
③ 彼らの物語の一部(意訳するなら「旅の途中」とか「回想」になるかなぁ?)
④ リヴェロン
3. 独特の世界観と魅力あるキャラクター
BG3と同じ製作会社なだけあって、キャラクターが魅力的かつ、より個性的です。
カスタムできる主人公とは別に、オリジンキャラクター6人おり、それぞれに固有の物語が用意されています。
そのうち、1回のプレイで3名を選んでパーティーを組むことができ、物語の途中で残りの3名は必然的に命を落とします。なので、1周目では残りの3名をストーリーは見れず、全部楽しむとなると2周やらなくちゃいけません。
それで…このゲームのオリジンキャラクターに、見た目が骸骨のようなエターナルという種族で「フェイン」という男がいましてね。
元々絶滅したとされている種族の生き残りで別次元では研究者であった小難しく難解な性格なのですが、彼がこの物語の根本に大きく関わっているんです。
なので、2周目をプレイするつもりがない人はフェインをパーティーに入れることを強くお勧めします。
このゲームでは、皆がソース使いとして、神人になるか選択を迫られるのですが、彼の選択肢だけ、それを諦めたときの代償があまりにも大きすぎる…。
主人公が神人になれば、彼は当然その代償を受け入れなければなりません。
彼を主人公にすればよかったと途中から思ったくらいで…プレイしていて主人公が神人になる必然性を感じなかったので(背景を「道化師」にしていて、スリをしまくり、おちゃらけた行動ばっかりだったのでこんな神やだよ、誰にも平和をもたらさないよとなっちゃう)、もうフェインがなったらええやんと思ってました。
ラストバトルの後でエンディングの分岐があるのですが、その後に、選んだエンディングごとに、語り手がその後の仲間たちの物語や救った街の近況をエピローグとしてお話してくれます。
フェインのその後を聞いて、ごめん…ホントにごめん…となってしまった。脚本家さん、彼にだけ重荷を背負わせすぎです。
さて、ストーリー自体は面白い今作ですが、物語が1番の魅力にはならなかったのは、物語の背景がよくよく文章を読まないと理解しにくいのと、翻訳文がかなりわかりにくいためです。
一人称視点でプレイしているのに、自分の選択肢を選ぶ時の行動選択肢が「貴方が」「貴方の」などと二人称視点になっています。
文章がよくわからなかったら…一旦、英文に直してみると意味がわかります(翻訳の意味なし)。 とはいえ、音声も英語ですし、ある程度英語が読めるなら最初から英語バージョンでプレイした方がストレスがないかもしれません。
