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織田由紀夫 短編集①

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こんにちわ 織田由紀夫です。 私の作品集、マガジン①を作りました。 短編と中編が入っています。 興味がある方、お時間がある方は 是非、御一読をお願い致します。
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2024年6月の記事一覧

短編小説「トー横」

短編小説「トー横」

1
気が付くと私は、ここに居た。
ひどく頭が痛い。

太陽も無いのに、燃える様に熱い。
月も無いのに、凍える様に寒い。

私は、今何処に居るのだろう。
辺りを見渡しても、何も見つからない。

ただ、うっすらと一面に
モスグリーンが広がっているだけだ。

例えるなら、留置場の様な色彩だった。

私は、昔見た映画を思い出した。
看守と囚人が仲良くなる映画だ。

私の記憶が正しければ
確か、あれはハッピ

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─中編小説─              「kiss」織田由紀夫

─中編小説─ 「kiss」織田由紀夫

1
「まっ、私が居なくても世界は回るわな」

ケイコはこの日、8本目のタバコにキスをしながら、独り言を呟いた。

その日丁度、雇用契約が切れる日だった。

キャメルの14milli gramはケイコの口腔を媒介し、肺の中に充填されていく。子供の時に飛ばした風船の様に、瞬く間に絶望で一杯になる。

眠れない夜は決まって、東京の街を練り歩く。
今日のケイコは池袋に来ていた。東武から程よい所の赤提灯で一

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