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ニューヨークで夜景空撮をしたらもう死んでもいい・・・と思った話



これまでの人生で、「もういつ死んでもいいかも・・」と思ったことはありますか?


私は2年前にニューヨークで初めて夜景空撮をした際、ヘリポートから宿泊していたゲストハウスに帰る地下鉄の中で生まれて初めてそんなことを思いました。
もしかしたら、これは老後にここまでガンバってきたご褒美的に見るべき光景だったのでは?などと、どうでもいい自問自答をしたり。はい、それくらいの衝撃だったんです。

ドアのないヘリから眼下に見えたのは、とてもこの世の光景とは思えないほどの"夢"でした。大都市が好きな自分的にはこの地球上にこれを超えられる都市の絶景はないですね...

そもそも自分はこのニューヨークという街が死ぬほど好きで写真を撮るためだけに不定期で訪れているのですが、その理由は「BATMAN」に出てくるゴッサム・シティに最も近いから・・という極めて単純な理由。

写真で臨場感を伝えるのは難ですが、雰囲気だけでもお伝えできればと思います。


いきなりタクシーでボったくられる

まず、ニューヨークで本格的な空撮をするには、ニュージャージー郊外にあるヘリポートまで行かなければなりません。

窓越しに景色を眺める遊覧飛行の場合はロウアーマンハッタンにある専用ヘリポートでOKなんですが、遊覧では恐らく規定上、マンハッタンの街の上空は飛べないんです。(主にハドソン川上空を飛行)

ヘリポートへは最寄のジャーナル・スクエアという駅からタクシーでないと行けない場所にあるのですが、行きのタクシーでいきなりヒスパニックの運転手にボラれたのは今となっては良い思い出。

この時は駅からヘリポートまで15分くらいの道のりで40ドルも取られて降車した後でけっこう落ち込みましたね。。初めてのニュージャージーでの洗礼というか。まともに英語が話せないアジア人はここでは弱者。

財布に入ってたのがちょうど40ドルだったから帰りどうすんだよ・・と。

初めて乗ったタクシーでいきなりボラれたので、これ以降は全てUberで移動するようにしています。これは2016年の話なのですが、2017年に同じ道のりでUberを使ったら以下のように10ドルしないって言う...

個人的には断然Uberの方が安心・安全・快適です。乗る車によってBGMも色々なので。笑

ただ、今思えばこんなことはどうでもよくなるほどの体験がこのあと待っていたわけです。


落ちた気分のままヘリポートへ・・・

これがヘリポートの外観というか、格納庫ですね。
ヘリポートはニュージャージーの工業地帯にあるもんで、周辺にはハイウェイや倉庫以外に何もなかったりします。

こちらのFlyNYONという会社はアメリカの各都市で本格的なヘリの空撮サービスを行なっている会社で、スタッフの人たちはいつでもゲストをあたたかく迎えてくれるんです。
もちろん、自分のような完全アウェイの日本人でも。

NYでの基本的なフライト料金は15分 219ドル、30分 499ドルと、もしかしたら日本でヘリに乗るより若干安いかもしれません。(ここまで来るのが大変ですが・・)
ちなみに独立記念日、ニューイヤーズ・イブなどの空に花火が打ち上がるイベント時は1人2,000ドルくらいします。

フライトまでの間は待合室で空撮映像を観て興奮を高めたり、スタッフの人たちとちょっと談笑したり。
この時は自分以外にテキサスから来た3人組のプロの人たちと乗合になったのですが、どうやら常連さんのようでした。名刺をもらったり、インスタをフォローし合ったり。アメリカの人ってホント、フレンドリー。

ちなみに帰り道はこの人たちが呼んだUberの車で最寄駅まで一緒に乗せくれました。やさしい人たちと一緒になれて本当に良かった・・泣


いよいよ離陸・・・!

3回目のニューヨークにしてついに念願の夜景空撮。
この時は4月下旬でしたが、NYは青森と同じ緯度なので4月とはいえ日が沈むとけっこう寒いんです。

前のグループが戻ってきたところを見つつ、ほどよい感じの緊張感・・
東京でもヘリに乗ったことはあるのですが、ドア無しはこれが初。
(話は逸れますが、以前にヘリの操縦士の方に聞いたところ、日本でヘリの免許を取ろうとすると700万ほどかかるそうですよ...)

自分たちのグループがこの日の最後のフライトだったので、やさしい操縦士さんが薄暮になるまで待ってくれた。

これでも一応、夜の19時半過ぎ。
ドア無しでヘリのブレードがフル回転すると機内はとてつもない暴風で最初はめっちゃビビりましたね。笑
慣れるまではまともに目を開けていられないほど。

いよいよ、非日常の世界へ。


ニューヨーク市はマンハッタンこそ超絶な大都市ですが、そこからほんの少し離れるだけでのどかな景色が広がっていたりするんですよね。一瞬、地元が頭をよぎる。

マンハッタンに近づくまではフルに飛ばして、街の上空に来たらゆっくり旋回しながら飛ぶといった感じ。
ドアが無いと当然アングルはこの上なく自由なんですが、背中や腰をハーネスで固定されてはいるものの・・ジェットコースターのように掴むところが無いので前のめりになると相当な恐怖。。
撮影に集中するには、この恐怖に打ち勝つことが大前提。

ヘリポートから飛び立って5分もしないくらいでマンハッタンの壮観な街並みが。エンパイア・ステートビルはどこからでも認識できるくらいに特徴的。


念願のニューヨークの空

最初に避けて通れないのがニューヨークの象徴、自由の女神。
ぐるっと一周します。

マンハッタンの街並みと。

高さはお台場の自由の女神の約5倍。
ちなみに日本にはお台場以外にも自由の女神像があったりするのですが、一番大きいのは青森のものだそう。

ロウアー・マンハッタンの古き良き街並みと西半球で最も高いワン・ワールド・トレードセンター。グラウンド・ゼロの場所ですね。

徐々に暴風に目も慣れてくる。

いやホント、これほどの人工物の集積を拝める興奮。。地上から見るのとではまったく違う感動が。人類ってすげぇ・・・東京じゃ見られない。

ニューヨーカーの皆様の頭上をヘリで飛ぶなどおこがましい限りなのですが、思った以上に低空で飛んでくれるのでストリートを走る車もくっきりと見えた。

常に暴風に吹かれている状態なのでかなり手元に力を入れてカメラを固定させていないとブレまくる。。

映画「ハドソン川の奇跡」の舞台となったハドソン川。
向こう岸がニュージャージー。マンハッタンとは対照的に閑静な住宅街が広がっています。

こちらはヘルズ・キッチン(地獄の台所)と呼ばれるエリア。
その昔、"アメリカ大陸で最も危険な場所"と呼ばれるくらい治安が悪く、この地名がついたらしい。

それだけに上から見ると溶鉱炉のよう。


伝わってくる街の息づかい。
ビルの高さからしてだいたい上空400mくらいを飛んでくれた。薄暗くなるにつれて、街は徐々に光を纏っていく。

NYって何かにつけて成熟した都市のお手本のような気がするんですよね。
間違いなく20世紀の最高傑作ですよ、これは。

さすがの観光都市でエンパイア・ステートビルの展望台は深夜2時まで営業。

マンハッタンの通りでも最も好きな42丁目付近。
中央のブルーに光る尖塔が付いているビルはバンク・オブ・アメリカタワー(366m)。右下の明るい所がDA PUMPのUSAでもおなじみのタイムズ・スクエアです。

ヘラルド・スクエアの上空から。
マディソン・スクエア・ガーデンはきれいなブルーのライティングに。
ちょっとだけ白く光っているところがタイムズ・スクエア。

もう死んでもいい・・でも死にたくない・・。
マンハッタンの中でも一番好きなミッドタウンのスカイライン。空に向かって強く主張する摩天楼がもうたまらなく好き。。

パークアベニューの上空から。
イーストリバーに架かるクイーンズボロブリッジも確認できた。
空気の冷たさでもはや指に感覚はなく、ひたすら息をとめてシャッターを押すのみ。

一際高くて細長い建物はマンション単体としては世界一高い432 Park Avenue。(426m)
自分の感覚ではNYのスカイラインの高さは東京よりだいたい100mくらい高いのですが、上から見ると狂ってきます。


東西に800m、南北に4kmと、とてつもない広さのセントラルパーク。
通りを走る車や歩く人々、オフィスに灯る照明など、都市の営みをすごく感じましたね。


そして、こちらが年越しカウントダウンの聖地、タイムズ・スクエア。
この時はまだ東芝のサインボードが。
このカオスっぷりが良いのだ。訪日外国人が渋谷や新宿などの混沌が好きな理由がちょっとわかった気がする。自国のそういう場所は避けたいけど、異国のカオスはなぜか最高に感じてしまう不思議。

もはや事前にボッたくってくれて感情の振れ幅を増幅させてくれた、あの運転手にお礼すら言いたくなる境地。


ビル群に灯る暖色の照明はNYのもう一つの象徴でもあったり。
この大都市の吐息が確かに聞こえてきた。

まばたきや息をしている時間すらもったいなく感じた30分は一瞬でもあり、永遠に感じるほど濃密な時間でもあり。
シャッターを切る瞬間はほとんど息をとめていたせいかほどよい感じの疲労感。

それなりの対価を払ってわざわざこんな遠いところまで来て写真を撮る、という行為が人生に充足をもたらしてくれる、、はず。


最後に・・・

ヘリポートに帰ってきて操縦士の人がエンジンを止めるなり、初体験の自分に "How was?" と。

普段温和な自分でもこの時ばかりは心の底から"Amaaaaaazing!!!"
続けてネイティブ気取りで"Oh my gooood!!"と絶叫しました。

みんな笑ってたけど、アドレナリン全開でとても冷静ではいられなかった笑

そのあとの帰路はずーっと夢見心地で放心状態。。
心ここにあらず。ゲストハウスまで通常1時間程度の道を地下鉄の乗る方向を間違えて、2時間近くかけて帰ることになりました。。。。。。。
今思えば全てが良い思い出ですけどね。笑

NYに遊びに行かれた際にぜひ利用されてみてはいかがでしょうか。
一生に一度の価値はあると思います。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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