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おかわかめ(お持ち帰り日記、始めます!)
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こんにちは。
2019年10月21日月曜日。今日から「お持ち帰り日記」を始めます。
1ページ目は、〈この日記がどういうものか〉と〈おかわかめ〉について書きます。
わかおかみのおかわかめと名乗る書き手は、鹿児島市名山町で暮らし、人と旅とハンモックが好きで、毎日大きなリュックを背負って、「ジャイアン」と呼ぶ愛自転車に乗っています。月曜日と木曜日の朝は、近くの路地で、ブロック塀に座って新聞を読み、訪れる人にお茶を振る舞っています。どうぞよろしくお願いします。
お持ち帰り日記とは
その名の通り、日々の〈お持ち帰り〉を綴る日記です。
ここで、私なりの定義をすると
〈お持ち帰り〉とは、〈家を出るときには持っていなかったけれど、帰りの鞄の中に入っているもの〉です。
ある方に言われて気がついたのですが、私は日々、いろいろな〈お持ち帰り〉をしているようです。
おにぎり、もんぺ、ローズマリー、文庫本、スリッパ … …
部屋を見回すと、これはいつどうしてうちにやってきたのだったかしら、と思う物がたくさんあります。思い返せば、いただくつもりも予定もなかったのに誰かがくれて持ち帰ってきた〈お持ち帰り〉たちなのです。
ひとつひとつに、それをくださった人との時間や思いが詰まっています。その物語を、大切に残したいなと思うようになり、日記を書くことにしました。
おかわかめ
1日目に書くのはおかわかめ。2017年11月5日のお持ち帰りです。
おかわかめ ツルムラサキ科。熱帯アメリカ原産。多年草。ミネラル、ビタミンAが豊富。じゃがいものように、栄養器官のむかごで無性生殖で増えるので、むかごを分けて土に植えると新しい株を育てることができる。
鹿児島に来て7か月経った頃、奈良から祖母が名古屋から母が、遊びに来ました。ばあちゃん・かあちゃん孝行をしようと、レンタカーで指宿へ。そこで泊まった、ペンション菜の花館の食卓でのことでした。
濃い緑のハート形。
見知らぬ葉っぱが、さつま揚げの下に敷かれているではありませんか。
食べてみると、少しぬめっとして、苦みがあり、さつま揚げによく合います。
思わず「この葉っぱはなんですか」と女将さんに尋ねると、庭へ連れて行ってくれました。
壁を覆う、濃い緑のハートのカーテン。
「おかわかめ。別名、雲南百薬草。体にいいし、放っておけばよく生えるよ。天ぷらにしてもおいしい。持って帰る?」
女将さんはその場で、空いていたプランターに数株を分けてくれました。
こうして、帰りのレンタカーのトランクには、おかわかめが乗りました。
あれから約2年。おかわかめは、うちの東向きのベランダで、すくすく育っています。台風にも桜島の灰にも負けません。
不規則な生活のため、ちゃんと世話をしてやることができていませんが、子どもの手のひらくらいの大きさの、つやつやしたハートの葉っぱを次々とつけてくれます。それを5~6枚摘み取ってみそ汁に入れるのが定番になりました。
ミニトマトと大葉のベランダ栽培に失敗した私にとっては、なんとも、手のかからない頼もしい相棒ができたことです。
(新聞の「記者のイチ押し」というコーナーに書きました!)
そして、今年の9月にはとてもうれしいことがありました。
おかわかめの、花が、咲いたのです!!!
白い、カスミソウよりも小さく、繊細でかわいらしい花が鈴なりに連なって咲きます。
(あるサイトによると)花言葉は「頼りにします」
本当に、頼りにしてます、いつもありがとう、と言いたい。と思いました。
葉っぱや花を人にプレゼントして、自慢の娘のようにおかわかめについて語っていると、私の周囲で少しずつおかわかめファンが増え、分けてほしいと頼まれてお嫁に出すこともしばしば。そんな、2019年の夏でした。
私も、おかわかめのように、強く優しくたくましく、頼りになる人間でありたいと思います。
お持ち帰り日記1日目、読んでいただき、ありがとうございました。
ささやかなお持ち帰りとそれにつながる物語が、誰かの小さな幸せにつながりますように。