見出し画像

韓国の記憶④

 全州二日目

 韓国での二日目。はじめて迎えた全州の朝。昨夜の熱すぎるオンドルのせいですっかり寝不足。オンドルが熱すぎて寝れなかったとミギョンに訴えたら今夜からベッドで寝なさいとのお言葉。オンドルの温度は調節できないのか訊ねてみると出来るという。じゃあ私が床に寝ると言うと温度を下げてもそれでも暑がると思うよ、とのこと。余所の家のオンドル事情は聞きそびれたので知らない。
 窓開けたんか?と訊かれたので暑かったから開けたというと物騒だから絶対にアカンと言われた。〇姦されたり強盗に合うかもしらんしアカン。ここは日本とちゃうんやで、と注意された。念のために言っておくと韓国もそんなに極端に治安が悪いわけではありません。日本だって女子の一人暮らしと一人歩きは結構危ない。韓国が特別治安が悪いわけではない。誤解しないで欲しいので念のため。
 しんどい身体にムチ打ってミギョンのご両親とおばあちゃん、それからミギョンの妹(私よりも1歳年下)と朝ごはんをいただく。白米が日本と同じでもっちりしていておいしい。ちなみに中国のお米はアジア諸外国と同じようにパサパサしている。焼き魚は日本と違い少し臭う。鮮度がイマイチというか、日本が良すぎるのかもしれない。
 ステンレス?金属製の茶碗が熱々の米を盛ると暑くてもてない。そもそも韓国は茶碗をもつ習慣がない。だから茶碗をテーブルの上に乗せたまま食べる。日本では行儀が悪いと言われかねない食べ方である。
 私は韓国語が全く話せないしミギョン一家も日本語がまったく話せないのに何故か会話がはずむ。やはり関西人と韓国人は相性がいいのだろうか。
 ここで一つ問題が。私はキムチが苦手なのである。苦手というよりも無理。でもキムチが苦手という言い分は韓国では一切通用しない。日本のキムチとは違うから一度食べてみなさいと何回も言われるから無下に断れない。仕方なく一口食べたがやはり無理だった。やっぱり無理です食べれませんと言うと、こんな美味しいキムチが食べられないだなんて、なんて気の毒なんだと言葉だけではなく表情から仕草まで全身で訴えかけられた。これから先いたるところで韓国のキムチは美味いぞ食ってみな問答が頻発することになる。キムチが苦手なひとは韓国の食事は面倒くさいと思う。
 朝食後しばらくしてからミギョンの彼氏(無職)がやって来て、ミギョンと三人で韓屋村にいく。韓屋村とは韓国の伝統的な建物が立ち並ぶ区域で、おしゃれなカフェなどもあった。夕方までには家に帰りミギョン一家とプルコギ屋へ。そして私はそこでもオンドルに苦しめられることになる。

ミギョンの家の犬
韓屋村(2017年)
韓屋村(2017年)


#海外旅行