少子化対策で保険料負担増はあり? 政権交代の選択肢もねじれ議会は必須か?


保険料の引き上げも増税です。

よく政府は年金や医療保険、介護保険などの社会保険料を引き上げますが、結局は国民の負担が増え、
増税と変わりません。

もはやステルス増税なのです。

ただし現在の少子高齢化社会によって、
1人あたりの負担が増加することは
避けられないことも理解しています。

しかしそのために負担をお願いすることが、
今日の議会が率先して役割を
果たしているのかは疑問視
されます。

これは与野党ともにです。

自民党の裏金問題もあれば、
野党が分散化していて、
野党が政権を担うビジョンが現時点では
国民に浸透していないのではないのでしょうか?

巨大な組織力を持つ
自民党でさえ参議院で単独過半数を持っていません

もし立憲が次の衆議院選挙で勝利し、
第1党になったとしても、
単独過半数にはならないでしょう。

そのため2009年の民主党政権の誕生を仮に
モデルとするならば、
あの時の国民新党の役割を維新の会が担い、
連立できるか否かも問われます。

【野党第一党立憲が政権交代した場合】
①立憲+国民
②立憲+国民+維新+有志の会
③立憲のみ

この3パターンに分かれるかと思いますが、
個人的には立国維有の4会派での連立になるかと思います。

なぜならば仮に立憲民主党が150-180議席を取ったとしても、
国民民主党はわずか15-20議席です。

規模がかなり違います。

加え維新の会ですと、教育無償化を実現する会と
統一会派を組んでいること。

そして大阪や兵庫、和歌山1区での強い地盤力もあることから、
現実的に連立を組むならば立憲・国民・維新+無所属の会で
過半数の240議席を獲得することが、現時点での現実的な政権交代でしょう。

ただしこうなれば、参議院では自公が過半数を握り続け、
ねじれ議会の誕生となります。

ねじれ議会の事実

【もし2024-2025年で政権交代が起きた場合】
衆院:立憲+etc
参院:自公

2000年代以降でねじれ国会が起きたのは
2007年参院選後と2010年参院選後です。

【2007年の参院選後】
民主党の勝利で自民党が過半数を握らず、
大変なことになりました。

首相指名でも衆議院は福田康夫(与党・自民党)、
参議院は小沢一郎(野党・民主党)となり、
衆院の優越により福田首相になるも、
当時のねじれ議会は苦戦したと言えます。

  • 与党が反対する年金保険料流用禁止法案の参議院可決、衆議院への送付

  • 守屋武昌前防衛事務次官に対する証人喚問を参議院で実施

  • 補給支援特別措置法案改正道路財源特例法案などの参議院否決またはみなし否決と、51年ぶりの衆議院再議決権の行使による法案成立

  • 国会同意人事の参議院不同意による戦後初の日銀総裁空席

  • 財務省や金融庁の権限が一切書かれていない道路整備事業特別措置法を、野党主導の参議院財政金融委員会に付託

  • 後期高齢者医療制度廃止法案を野党主導の強行採決で参議院可決

  • 暫定税率法案の吊るしと再可決によるガソリン代の乱高下

  • 参議院での福田首相・麻生首相に対する問責決議案可決

特に当時内閣総理大臣のお二方の問責決議案が参議院で可決されたこと、
加えて日銀総裁の空席や衆議院再議決権の行使もありました。

もちろん政権交代は悪いことではありません。

一方でねじれ議会について、我々は与野党のバランスともに
考えなければなりません。

衆議院が偉いのか?それとも参議院がストッパーとしての
権限が強すぎるのか?

2院制の意味を問い続けなければならないのです。

【2010年の参院選後】
まずこのねじれ議会の特徴は、
与党は過半数を失うものの、
当時野党第一党の自民党もまた過半数に向けた
結集ができなかった点です。

そのため以下のような人事となりました。

極めて異例の人事です。
【参議院人事】
議長:民主党(与党)
委員長:自民党(野党)

それだけでなく、当時の教員免許更新制の廃止
参議院で通過できる見通しが立たず、
断念することになりました。

なお12年後に自民党の岸田政権が
教員免許更新制を廃止しています。

10年ごとに教員免許の更新が必要な「教員免許更新制」を廃止し、来年4月から新たな研修制度を設ける改正法が5月11日の参議院本会議で、自民・公明両党や立憲民主党などの賛成多数で可決・成立しました。

改正教員免許法などでは教員免許更新制を廃止する期日をことし7月1日と定め、それ以降に有効期限を迎える免許を持つ教員は、講習の受講や更新の手続きが不要になるとしています。

出典;NHK 2022年5月11日 教員免許更新制を廃止 廃止期日は7月1日 改正法成立

さらに衆議院では民主党政権は3分の2以上の議席を保有出来ておらず、
野党第一党の自民党との協力は必須の体制となりました。

野田内閣では自身が掲げる法案を通過させるために、
社会保障と税の一体改革関連法案を民主党・自民党・公明党の
3党で成立させるなど、極めて大きな課題を
この3党で通過させたことは、
ねじれ国会のメリットでもあります。

社会保障料の高騰は超党派で解決すべき

そもそも社会保障の負担が高額となる以上は、
国民1人1人の理解が欠かせず、
議会は先に指針を示し納得させる責務があります。

東京新聞が報道されたこちらの記事をご覧ください。

首相は国会審議で、支援金制度によって国民に実質的な負担が生じないとする根拠として、個人や企業の収入を合わせた国民所得を分母、社会保険の負担を分子として計算する「社会保障負担率」を取り上げ、賃上げなどの効果によって負担率は上昇しないと強調してきた。ただ、こうした説明は国民にとって極めて分かりづらく、支援金制度への不信に拍車をかけた。

出典:東京新聞 2024年6月5日 怪しすぎる「実質負担ゼロ」で強行突破…「子育て支援金」関連法が成立 徴収は2026年度から

これは「子育て支援のために」提出された法案です。

しかし賛成されたのは幅広い党派でなく、
与党の自民と公明のみです。

立憲、維新、国民、共産など野党の多くは反対されています。

別に法案の中身を否定しているわけではありません。

ただ財源の議論が曖昧ベースのままで
法案を進め、最終的には国民に無視できない負担をお願いする
リスクもまた考慮しなければならないでしょう。

できれば幅広い賛同の方が、イメージは良かったですが、
一方で財源の議論が解散総選挙のある本年で
なかなかリスクがあるとも言えます。

このように議会の責任はより重いものとなっております。

有権者の1票が下す決断はどうなるか?

私たちは政治の信とは何かを国民目線で考えなければならない

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