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手取りを増やす国民民主党。しかし邪魔するのは・・・


今回使用したデータ

103万円の壁は壊せるか?

今、話題となっている年収の壁「103万円の壁」と言われるものですが、所得税の基礎控除の範囲を引き上げ、多くの学生が年収の壁を気にせず働けるものを作ろうとしている訳です。

ただし政府の林官房長官の発言ですと、国、地方で7兆~8兆円程度程度の減収の見解を示し、自民党や政府でも一部懐疑的な見方が出ています。私個人としては30年近く変わらないゾンビ税制に終止符を打って、年収の壁を時代に沿ったものにすべきとは考えていますが、その財源不足に責任を持たない政党であるならば、仕事はしてほしくないとも言えます。


また、もうすぐ年末ですので、自民党恒例の税制調査会での攻防が繰り広げられるでしょう。後ほどこちらについても解説しますので、よければどうぞ。

自公過半数割れでキャスティングボードを握ろうとする国民

国民民主党が政策を実現するために「手取りを増やす」ことを目的とした年収の壁の引き上げ法案を要求しています。

もし実現しなければ予算も法案も通過しないと強気の姿勢であり、石破執行部の反応が気になるところです。

しかし自民党としては武藤経産大臣がトリガー条項の解除に慎重な姿勢を見せ、
林官房長官は7-8兆円の税収減を指摘するなど、党内でも一部根強い慎重論が出ることでしょう。

特にこの時期は税制調査会が本格的に動き出す時期であり、税調内での攻防が目立つでしょう。

なお税制調査会の会長は現時点で宮沢洋一会長の留任か否かは分かりませんが、政務調査会の下部組織であり、本来は政調会長の方が上司ですが、謎の暗部のように扱われているなど、不思議なものです。

新年度の税制の枠組みを決めるための作業が大詰めを迎える年末。業界団体が所管省庁を通じて提出する税制改正要望は、財務省や総務省が事前に審査をすることになっている。

 その事前審査で「バツ」(お断りする)とされた項目が、「インナー」と呼ばれる党税調幹部の一声で「マル」(措置する)に覆ることが多い。昨年末は役所が「バツ」と判定した8項目のうち、企業の交際費で損金(経費扱い)として非課税にできる金額の引き上げなど、7項目が覆った。

出典:朝日新聞デジタル 2024年4月19日 自民税調の一声で「バツ」が「マル」に 税優遇は献金の還流と指摘も

今年は甘利元幹事長や塩谷元文科大臣が去り、加藤財務大臣が入閣、福田達夫氏
が幹事長代行、森山幹事長など、インナーの中にも変化が生じています。

林芳正官房長官も税調の幹部の一人であり、インナーの動向には目が離せません。

所得税控除は富裕層優遇か?

この時点で答えるのも烏滸がましいですが、そんなことはないでしょう。優遇というよりこれまで103万円までしか働けなかった学生が、手取りを増やすことは大切ですし、むしろ旧法における税のしがらみを与え続けた国は大きな損失であるとも言えます。

ただ不足分の税収を仮に補う場合の案は多分出されるため、ここには注目をしなければなりません。

また金融所得課税や相続の控除など、なかなか切り込みにくい部分の税収を増やすための努力もまた方法の一つとしては存在し、お金持ち=所得ではなく資産量や資産収入といった部分も考えて更新していく必要があります。


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