この本がよい 「なくなりそうな世界のことば」
卒業式の祝辞に悩んで図書館に行った時に、こんな本を見つけました。
「なくなりそうな世界のことば」
吉岡 乾(のぼる)/著
西 淑(にし しゅく)/イラスト
創元社 1600円+税
この本は、世界の50の少数言語の中から、各言語の研究者たちが思い思いの視点で選んだ「そのことばらしい」単語を、イラストともに解説している本です。
その中には、「アイヌ語」も入っています。
また、最後の話者が亡くなり、途絶えてしまった言語も紹介されています。
本を良く眺めてみると、ページの隅、見出しシールを貼るような場所に数字が書かれています。
読み進めていて気がついたんですが、この数字は現在その言語を話している人の数のようです。
で、この数字は後ろの方になるほど少なくなっていて、最後は「0」。
ということは、この言葉が持っている「独自の概念」はもうないのです。
う~ん…。
これだけ「多様性を尊重」だのなんだの言われて久しいですが、言語が1つなくなるというのは、その「多様性」を構成する要素が1つ無くなったというわけで、これはある意味「画一的」な方向に進んでいってるんだろうか…みたいなことを考えたりしたのでした。
今の時期、分かりみが深いと思ったのが、ドホイ語の「BOROSOKOMODAP」。(読みは ボロソコモダップ)
意味は、「莫大な量の小さな何かが降る」
降ってくるものは、雨以外の物を指すそうで、日本で使うとすれば、今は「花粉」がドンピシャかなぁと。
早いとこシーズン終了となって欲しいものです。
こんな言語もあります。
このレビューを書いていて、思い出したんですが、こういったいわゆる「ことば」でなく、「口笛言語/くちぶえげんご」というものがあるんです。
自分のアナログ日記にメメントしてたものから。
その時の映像を簡単に説明すると…。
小高い山の上から谷底の集落に向けて口笛を吹くんですが、500m位は離れていたかな。(もっとあったかも?)指笛だったか口笛かはうろ覚えですが、まるで鳥がさえずるような感じで吹き鳴らしてました。それが周囲の山々に響いて、結構音が遠くまで届きます。スタッフが「何を話していたのですか?」と聞くと、
「ああ、後であなたのうちに行くよ、と言ってます。」←ここもうろ覚え。スミマセン。
どの音がどうなって、そういう文章に変換できるのかがとても不思議でした。これを応用したら、もしかすると鳥や動物と会話できそうな感じです。
この番組を詳しくご覧になりたい方は、NHKオンデマンド「世界ふれあい街歩き/スペイン ラスパルマス島」を検索してみてください。