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「25秒遅刻です!!」と、注意されて考えたこと…

先月から、海外&日本在住の外国人の方に日本語を教えています。「教えています」と言っても、私は無資格・未経験なので、中上級者の方とは日本語でフリートーク(おしゃべり)したり、初級者の方には英語で簡単なフレーズなどを教えているだけですけどね。

ある日、ネットのトラブルでレッスン開始が数分ほど遅れてしまいました。どちらかというと、生徒さん側のトラブルだったのですが、可能ならその分延長してさしあげようと思いました。でも、直後に別のレッスン予約が入っていたのです…。「ごめんなさい。次回、5分延長しますね!」と言うと「えっ、そんなの大丈夫ですよ。よくあることですし」と答えてくれました。(彼女の日本語はネイティブレベルです)

不可抗力的なものでも、クレームになることもあると思うので、寛大な言葉にホッとしました。

私も同じ状況だったら「大丈夫ですよー」と答えると思うけれど、たとえば45分のマッサージを予約して、施術中に予約電話に対応したり、5分くらい中断されたら、「えー、その分延長してくれないのかな?」なんて思っちゃうかも。

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昔、単発の仕事で、ゲーム会社に行ったことがありました。ゲームソフトのセリフの英訳チェックの仕事です。

リリース前の人気ソフトもたくさんあるので、全ての部屋が厳重にロックされ、私も小さな会議室以外立ち入ることはできません。午前中に10分の休憩があったのですが、うっかりカードキーを持たずにお手洗いに出てしまいました。ビジター用カードでネックストラップがついていなかったので、バッグに入れたままにしてしまったのです…。

お手洗いから出て、部屋に戻ろうとすると廊下には誰もいません。たいてい、オフィスの廊下には内線電話がついていて、庶務さんや秘書さんにつながると思うのですが…そういったものも見当たりません。

困り果てていると、秘書さんが通りかかり、どうにか業務再開の時刻に会議室に戻ることができました。中に入ると、担当の若い社員さんが部屋で待ち構えていたのですが、「ゆきのさん、業務再開時間に25秒遅刻しました。次からは気を付けてください」と真顔で言うのです。

…25秒???

最初は「何かのジョークかな?」と思ったのですが、どうやら本当に注意されているのだと気づきました。

もちろん、カードキーを忘れて出てしまったのは100%私が悪いのですが、いくら時給で働いているとはいえ、1秒を争う業務でもないのに(空き時間にはゲーム機でプレイしたりしていました…)、25秒の遅刻を指摘され、正直困惑してしまいました。

その日の業務が終わり、例の社員さんがやってきたので、サインしてもらう書類を渡しました。マネージャークラスの方のサインが必要だったので、彼は上司を探しに行ったのですが、席にいらっしゃらないようで、私たちの契約時間終了から、3分。。。5分。。。10分。。。と過ぎていきます。

彼は慌てた様子で走り回り、私にも平謝り。その後特に予定もなかったので「大丈夫ですよ」と答えておきました。

25秒の遅刻を注意した手前、私を10分も無駄に待たせるのは、彼としても耐えられなかったと思います。

私は数多くの派遣先で働いてきましたが、この時のように「こっちが金を出して雇ってやってる。1秒たりとも無駄にするな」という雰囲気の人もいれば(ごく少数)、英語のプロとして派遣された私たちをきちんと対等に扱ってくれて、「来てくれてありがとう!本当に助かったよ!」という気持ちを示してくれる職場もありました。

後者の方が多かったし、私もそういった職場を無意識に選んでいました。今後もそういう環境やお客様と一緒に働いていきたい、と日本語レッスンをしていて思ったのでした!

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