「キラキラとギラギラ」1巻感想

 こんにちは、雪乃です。「キラキラとギラギラ」1巻を購入したので、感想を書いていきます。

 Twitterで知った作品なんですが、面白い!!主人公の姫路ルルが転校先の高校で幼馴染の極楽寺禅と再会したことから恋が動き出す学園ラブコメディなのですが、とにかく絵柄がすごい。

 主人公のルルが少女漫画のようなタッチで描かれる一方、禅を始め転校先の「獄門高校」の生徒たちはすべて「北斗の拳」のような劇画タッチで描かれている本作。表紙の時点でもうすでに絵柄のギャップがすごい。なんせ帯に書かれている言葉が「10年ぶりに再会した幼なじみは、画風(ジャンル)が変わっていました。」ですから。

 「なつかしの少女漫画のパブリックイメージ」と「なつかしの不良漫画のパブリックイメージ」を同時にやった結果2つの画風が衝突事故を起こしているのに、その衝突事故が独特のギャグとラブコメディに昇華されているシナリオと画力の妙技。「画風が違う」というメタなネタをやりつつ、ルルの柔らかさの中にも芯がある恋心や禅の内に秘めた繊細さをちゃんと描くのは、まさしく繊細な剛腕といったところ。

 ギャグ主体の少女漫画+青年漫画といった雰囲気の作品なので、「月刊少女野崎くん」が好きな人は好きだと思います。

 ストーリーそのものは王道の学園ラブコメをちゃんとやっているので、ルルの恋のライバルもちゃんと登場します。それが獄門高校の女番長(スケバン)・相原愛子。愛子さんがまた愛嬌のある良いキャラなんですよね。劇画と少女漫画の中間地点のようなキャラデザも好きです。

 「キラキラとギラギラ」、絵面が絵面なので毎ページ独特な面白さが発生しているんですが、恋愛漫画であることに対してはすごく真摯なのでちゃんとキュンとするんですよ。ヒロインのルルの可愛さとか、相手役の禅のカッコよさはちゃんと外さず描く。ただそれはそれとして異常な絵面は頻繫に出てきます。「真面目な面白さ」と「変な面白さ」を両方ちゃんとやっているので、1話でぶつけた「絵柄が違う」という最大瞬間風速的なインパクトで終わらず、その後も安定して読み進めることが出来ます。
 禅が「最初から劇画タッチだったのではなく、幼少期はルルのような少女漫画の絵柄で描かれていた」キャラだと明かすことで「もしかしてルルもいずれ劇画タッチになるのか……?」と今後のストーリーのフックになっていて、2巻が今めちゃくちゃ待ち遠しいです。ルルはこのままでいてほしい……いやであの空間にいたらいずれは劇画になるのかな……。

 あと、嵐山先生の「鋼鉄奇士シュヴァリオン」をチェックしてみたのですが、同じ人が描いているのが信じられないほど「キラキラとギラギラ」と絵柄が違うので驚きました。ギャグのノリが同じだから同じ作者だとは分かるのですが、何にせよプロってすご~~~!!

 2巻は予告の時点でもうすでに面白いので、発売が楽しみです。本日もお付き合いいただきありがとうございました。

 
 

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