伏線は回収された
飽きた。
その言葉が一番しっくりくる。
数か月前、これ以上おもしろい営みはないんじゃないかと思ったものに、急速に飽きがきている。
それは、過去の感情と思考を深掘りし、わたしという物語を言葉にすること。
なかったことにしたい過去がたくさんあった。みたくない感情もたくさんあった。見て見ぬふりをしたところに新しい因果が積み重なって、複雑に絡み合っていた。自分でもよくわからない状態だったから、誰かに何かを言われたら、過剰に反応して痛みばかりを感じていた。
そんな状況のなか、育休はちょうどよかった。人と距離をとって、ただひとり静かに過去と向かい合う時間をとれたから。伏線の張り巡らされた推理小説のように、自分の過去を解き明かすことはスリルがあって、もっともっとと夢中になった。
1冊の本を書き、noteの毎日更新を40日つづけて、はたと気づいた。外界と断絶して、過去を巡るだけの物語に飽きてきている。どうやらもう、伏線は回収しきってしまったらしい。
これまでは、わたしの心の中がわたしにとって安全な場所ではなかった。他者との関わりから遠く離れて、別の空間を用意しなければ、自分の声を聞くことなどできなかった。
そうやって伏線が回収された今、わたしの心の中はわたしにとってちゃんと安全な場所になった。そして皮肉なことに、そのまま言葉にするには退屈な場所になった。
そろそろ、外の世界へ出ていっても大丈夫。
むしろ退屈だから、何か新しく取り組めるものを探したい気分。
書くことをやめるつもりはないけれど、書くことで心は変わりつづけている。次はどんな変化が待っているだろうか。
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最後まで読んでくださってありがとうございます!
自分を、子どもを、関わってくださる方を、大切にする在り方とそのための試行錯誤をひとつひとつ言葉にしていきます。