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不確実性に対する脳の働きを鍛えた結果
数日前から天気予報の冒頭で必ず伝えられている
「今季一番の寒波到来」
ま、まずい。こんなときに限ってANAを予約してしまった。
秋田行のANAはプロペラ機、JALはジェットエンジンのだからこういう寒波で風が強い時は、ANAはほぼ欠航してしまう。
前日から天候とANAの運行チェックに忙しい。
予約画面を見ると、飛行機変更可のマーク。
あさイチ便に切り替えるべきか。今のママ昼便にするべきか。
天気予報をみると朝のほうが風が強く、昼過ぎにはいったん回復の見込みとある。
であれば、朝一便は欠航だなと思いながら、朝ごはんを食べていたら、条件付きで飛んだ。しかも、風を味方につけ、定刻よりも10分も前に到着した。
ということは、昼便は余裕だなと急に大船に乗った気持ちになった。ひとまず、ラウンジでゆっくり仕事をするために、早めに家を出た。
搭乗2時間前に到着。ラウンジで珈琲をいただき、さて仕事でもするかとパソコンを開いた瞬間、スマホに通知がきた。
「強風の影響でお客様の便は欠航になりました」
なんだって?!
と驚くも、まあ想定範囲内。一休さんの気持ちになる。
「あわてない、あわてない、一休み、一休み」
をする時間はない。
不測の事態になったとき、異国での一人旅の経験が生きる。1人では当たり前だが、自分でなんでもかんでも決めなくてはいけない。特に言葉が通じないところにいけばなおさらだ。なぜ、電車がこない?(←勝手に運休してた)、予定の12時間遅れで到着(←そこまで待ってたわたしすごい)、自分の席に勝手に誰かが座っていた(←主張しても席を譲らない)、などなど人に聞いても適当で、全く解決せず、どうしていいかわからないことが多々あった。
一人旅は何があるかわからないという不確実性だらけであり、それを1人で対処していくには、まずは落ち着かなければならないのだ。ふぅ~
さて、欠航。最近は便利になったもので、アプリで変更から返金までなんでもできる。ひとまず6時間後の最終便にかけてみるかと思いきや、なんと最終便まですでに欠航決定。
こうなるとカウンターにいくしかない。JAL便が1時間半後に出発予定。しかも、サイトを見ると、空席がある。
列に並ぶ前に入口付近にいたお姉さんに聞いてみた。
「あのう、欠航になったんですけど、JALに振替ってできるんですか?」
「できますよ。こちらに並んでください」
お!そうなの?
確か、機材の不具合はANAーJAL間の振り替えはできるが、天候の場合はできない・・・と前に言われたような気がする。今回は大寒波だからだろうか。いや、そんなことはないだろと自問自答をしながら待つ。
カウンターの列はさほど混んでなく5分ほどで到着した。JALに振替られるとばかり思っていたから意気揚々と次のJAL便に乗りたいといった。
「JALはご自分で予約してください。ここでは返金手続きをさせていただきます」
「自分で予約する場合、正規料金で45000円となっているのですが、一度払って、ANA側に返金手続きするんでしょうか?」
「いえ、わたくしどもはあくまで欠航分の返金ですので、JALへの振り替えはご自身でお支払いください」
それは振り替えではなく、ただの変更という。
スーパーセールの8800円で購入したチケットだったのに45000円で帰れとそういうことか。もしくは、明日の便に振り替えろと。
明日の用事のために前日入りするのに明日の振り替えはない。アプリで振替できるのであればここでやる必要はない。JAL便も自分で予約しろというならもう用事はない。
「ありがとうございました」
と言って、一度カウンターを離れた。
やはり、天候不良はJAL便への振り替えは無理で、ANAならいけるという。機材不良でなければJAL-ANAの振り替えはNGなのだ。
じゃあ、振替できるっていうなよ。紛らわしい。JALに変更っていえ!
JAL便をなんとか安くとれないもんかと思ったが、JALカード割引で5000円安くなるくらいでそれ以上は無理だった。
もうJALの正規運賃しかないか・・・半ばあきらめかけたとき、空港アナウンスが流れた。
「ぴんぽんぱんぽーん。ANA●●便羽田空港行は~」
は!羽田空港。その手があったじゃないか。ANA便への振り替えができるなら、羽田経由で秋田にいけばいいじゃないか。
自分のひらめきに天才的なものを感じ、自分に酔いしれたかったがその前にまずは空席を調べなければならぬ。
すると45分後出発の羽田行は空席有、しかも、羽田ー秋田間もすべて空席有!
キターーーーーー
PCを開けたまま、列に並ぶ。すると、タブレットをもったお姉さんが聞き取りにきてくれた。
「さっき、振替を聞いたものですが、同じANA便への振り替えならいいんですよね?振替ってのは、追加料金払わないでの振り替えって意味ですよ。で、調べたら羽田経由なら帰れそうなんですけど、いけます?」
怪訝な顔をして聞いていたが、おそらく・・・
とあいまいな返事。
「あと45分後なので急いでるんです!!!!」
といったら、カウンターにかけあってくれた。先ほどJAL便へは無理といったお姉さんアゲインだった。
「同じANA便なら大丈夫です。羽田経由でお取りしますね」
よっしゃーーーー!
「羽田乗り継ぎ50分しかないですけど、大丈夫ですか?」
「まったく問題ありませぬ」
というやりとりをしていたら、隣にいたおじさんがそでを引っ張ってきた。
「お姉ちゃん、秋田に帰るの?羽田経由で?」
「そうです。どうしても今日帰りたいので」
「僕たちは明日の便に振り替えになったんだけど、僕たちも羽田経由で帰りたい」
ということで、急遽、秋田からきた夫婦も予約を取り直し、羽田経由で帰ることになった。
「羽田―秋田間は条件付きですよ」
「まったく問題ありません」
というのも、プロペラ機じゃないからおそらく大丈夫なのだ。
羽田空港では機材遅れで15分遅延したが、無事に秋田に到着。当初予定よりも1時間20分遅れだったが、問題ナッシング。
ご夫婦も、延泊しないですんでよかったわ!と何回もお礼をいわれ、なんだかいいことをした気分にもなり、かなり気分上々で秋田入りした。
「あきらめたらそこで試合終了」
安西先生と一人旅で鍛えた脳の働きに感服である。
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