ワゴン販売のおばちゃんのいいカモ
東海道新幹線の車内ワゴンサービスが10月末で終了だそうだ。確かに、駅中に魅力的な駅弁やおしゃれなおつまみセット、お土産などがあり、新幹線に乗る前に買い物をするために少し早めに到着して、必要なものを買ってから乗車していたから正直、ここ何年も車内ワゴンサービスを利用したことがなかった。
あ、ひとつ思い出した。朝早い新幹線で時間ぎりぎりに乗った時は、いつものスタバやドトールに立ち寄る時間がなく、車内ワゴンサービスでコーヒーを頼んだことがあったっけ。おいしいかどうかはおいておいて、やはりモーニングタイムにコーヒーは必須。
とまあこんな具合だったし、車内ワゴンサービスで買っているひともあまり見かけなくなった。人手不足が問題視されている今、この流れは必然。ではあるものの、1日に何本もの新幹線の往来があったことを思えば、ワゴン販売のお姉さんたちの仕事はいずこに?と心配もしてしまう。
新幹線だけでなく特急列車でも車内ワゴンサービスはある。大阪―金沢のサンダーバードは一足早くサービスを終了したが、田舎の特急路線では今なお現役。田舎にいくほど駅構内に何も売ってないこともあり、車内ワゴンサービスはとてもありがたい存在なのだ。
もう10年くらい前だが、取材終了後に打ち上げでもしようと駅前で居酒屋を探したが、めぼしい店がなかったのと特急列車の時間までさほど時間がなかったため、今日は車内打ち上げだ!と駅構内でつまみを購入。ビールやサワーはキンキンがいいと車内ワゴンサービスで買うことにした。
特急に乗り込み、座席を回転させて4人で向かい合う。
ほどなくして車内ワゴンサービスのおばちゃん登場。
ビール4本と小腹がすいてたので、お弁当も2つ購入。
飲むのをずっと我慢していたがために4人とも350mlを一気飲み。
あっちゅうまだった。
車内ワゴンサービスこないかなと思ったのもつかの間、すぐにやってきた。というのもこの特急列車、5両編成でわたしが乗っていたのは4号車の5号車より。5号車でさくっと折り返してくるだけなのですぐにやってくるのだ。
ということで、またしてもビール4本お買い上げ。
ちょっと足りないかもということで、ハイボールも2本購入。
おばちゃんニコニコ顔で
「ありがとう!」
といって去っていった。
多めに買ったのにしゃべりながら飲んでいるせいかまたしてもすぐになくなる。
すると、1号車までいって折り返してきたおばちゃんがまたやってきて声かけてないのに
「そろそろ飲み終わったでしょ」
と言ってきた。
お察しのとおりである。
ということで、今度はビール2本にハイボール2本をお買い上げ。
さすがに5号車からの折り返しまでに飲み終わらないだろうから今度は購入予定はなかったのにおばちゃんに
「おつまみはいらないの?」
と声をかけられ、つまみを購入してしまった。
なんだかんだとやっぱり飲んで食べてしまいすっからかん。するとさっきよりあきらかにスピードアップしておばちゃんがやってきた。完全にカモである。
もうこうなったらお互いニタニタ。
「もうビールはおなかいっぱいだから日本酒お願い」
というと
「よかった~、もうビール完売なんだよ。こんなことは1年に1回あるかないかだわ。これだけ売れると気持ちいいもんね」
と日本酒を置いていった。
次は5号車からの折り返しだからまたすぐにやってきた。さすがにもういらないなと思っていたのに
「このおつまみ系は賞味期限がもう短いから半額にしとくよ」
閉店売り尽くし大セールである。
もうこうなったらやけだ。結局、すべてのつまみを購入した。
車内ワゴンサービスのおばちゃんは時給制なのだろうか。それとも歩合制?歩合制であればこの日の売上は過去最高だったに違いない。