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牧瀬里穂になれる12月

一年で一番街が光り輝く12月。イルミネーションの下ではカップルだけでなく、友人、会社帰り、外国人観光客がゆっくり歩を進めて、美しい光の共演に酔いしれる。

しかし、わたしは違う。イルミネーションが始まると、光の下でうっとりしながら歩く人々の間を抜けながら疾走したくなるのだ。

その原因を作ったのは牧瀬里穂。
クリスマス、新幹線、牧瀬里穂と書けば、わたしと同年代の人たちはぴ~んとくるだろう。久しぶりにCMを見てみた。

あれ?イルミネーションの中を疾走してなかった。
このCMをテレビにかじりついて見ていた高校生のわたしは、日本海側の秋田にいた。イルミネーションなんてものもなく、ただただ雪が降り積もるモノトーンの世界の中で過ごしていたからか勝手に脳内変換され、牧瀬里穂が恋人に会えるはやる気持ちをおさえられずに、キラキラした町の中を走ると思っていたが、駅の中を走っていただけだった。牧瀬里穂がかわいすぎたからキラキラ輝いているように見えたのかもしれない。

ともあれ、恋人にサプライズを届けようと頑張る牧瀬里穂にノックダウン。このCMのおかげで、イルミネーションの中を疾走するとかわいく見えるということだけでなく、恋人にはサプライズをしてあげるといじらしい!と思われると勝手に思ってしまった。

現実は悲しいかな。20代になって恋人にサプライズしようといろいろ準備していたのに、なんとブッチされたという悲しい出来事があり。やはり牧瀬里穂並みにかわいくないとサプライズも届かないのかといじけた時期もあった。

そんな20代のころの悲しい話も今じゃ笑いのネタになり、ネタにもならない普通の恋愛しなくてよかったわ~なんて思えるようになったお年頃。12月の東京出張は、イルミネーションが輝く丸の内を小走りにかけぬけ、東京駅に向かう。その先に待っているのは予約したのぞみ号だけだが、今日は隣にどんな人が座るのかなとワクワクしながら乗り込む。

そして乗ってきたのはおなかタプタプ、仕事に疲れて爆睡するおじちゃんだった。

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ゆきんこ
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