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幸せの国からトンネルがない国へ
前回までのブータン旅行記はこちら。
助手席でウトウトしているのに半永久的にしゃべり続けるドライバー。軽快な音楽とともにアクセルを勢いよく踏み、スピードをどんどんあげていく。
険しい山岳と急峻な渓谷に分断されているブータンではハイウェイと呼ばれていても、舗装されているだけで細いぐねぐねと曲がりくねった山道を走ることになる。しかも、首都ティンプーと空港があるパロを結ぶハイウェイでさえぐねぐね道なのだ。
男女問わず、そんな山道に慣れているのか華麗なハンドルさばきで車を走らせる。以前にも書いたが、シートベルトをさせないように差込口をブロックしているせいで、身の安全が確保されない。カーブを曲がり切れずに谷底にずど~んと落ちてしまったら、シートベルトなんて無用の長物。とはいえ、あまりの急カーブだと、自然とドアの上にある手すりに手をかけてしまう。
それにしてもいつまで続くよぐねぐね道・・・と思った時にはた!と思い当たった。そういえば、ティンプーとパロの間もぐねぐね道だけで、ぐねぐね道回避に一役買うトンネルがなかった。
そして、ゲレプーティンプーの幾度かの山越えでも一度もトンネルが見当たらない。さあ、あんたの出番ですぞ!おしゃべりドライバーさん。
「ねえねえ、トンネルないの?」
「トンネル?!見たことないな~」
「木を一本切ったら、1本植樹しないといけない自然と共存する国だから、山を切り崩すのもNGでトンネルないの?」
自分で言いながら、的を得たなと思ってニヤリ。
「そうなのかな?よう知らんけど」
な、なに?!そこは解説がないのか。
夜、ティンプー到着後、物知りなデチェン母にこのことを言うと、同じく
「そうかしらね。でも、まあティンプーには地下歩道もあるし、立体交差もあるし、トンネルもどきがあるといえばある。でも、山は切り崩してないわね」
他の国では当たり前にあるのにないのは立派な観光ポイントになる。
幸せの国ブータンがちょっとぶれてきたところだし、「トンネルがない国ブータン」にコピーを変えてみてはどうだろうか。
と書きながら、トンネルがないといって、高い観光税払ってくるかなと自分で疑問視するという矛盾。
陽気なミュージックをかけながら軽快なハンドルさばきでぐねぐね道を爆走するシェアタクシーの動画はXにて。
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