海外用の味覚
昨日までのブータン旅行記はこちら。
お寺のキッズ僧侶に持っていたお菓子を根こそぎあげたために、自分のおやつがすっからかん。ないと思うと食べたくなるのがおやつである。といっても、過去記事にも散々書いたように、ブータンのケーキは甘いし、パサパサしているし、クッキーは口の中の唾液を根こそぎもっていくほどのカリカリさだしで、どうもおやつを食べたい気分にならない。
しかし、車の中でお腹がグーグーなってしまった。
「家ついたらお茶しよ!」
チュキが嬉しそうにいうが、あのパサパサクッキーが出てくるに決まっている。
ティンプーのデチェンの友人宅で出たクッキーはさほどパサパサしていないがおいしくもなかった。というより、味がしないのだ。
欧米スタイルで飲み物に浸して食べるのが基本のようなので、あえてパサパサにしているとみた。日本人は浸して食べる習慣がなく、クッキー自体がとてもおいしい。クッキーに合わせる紅茶や緑茶も爽やかな味わいで上品な味わいのクッキーとよくあう。
ニュージーランドに住んでた時もみんな、紅茶やコーヒーにオレオやらチョコクッキーを浸して食べていたが、なぜ単体でもおいしいものに浸すのか。もしかして日本人の歯は獣並みの強度さなのか?とさえ思った。
どうもティータイムが楽しみにならない。けれど、おなかはすいた。食料自給率が先進国で最低なのにえり好みしてすみません。食べられるだけありがたいと思わねばならない。と思い直しティータイムに挑む。
家に到着し、テーブルに置かれたのはまさかのインスタントラーメン。
「好きなの選んで!」
まさかのインスタントラーメン!それにしても、インスタントラーメン王国の日本産はなく、韓国産はある。インドもあるし、中国もある。なのに、日本はない。そこが悲しい・・・
外国産のインスタントラーメンは辛いか、香辛料が効きすぎているか、もしくはチープな味がするかのどれかしかあたったことがなく、スープまでおいしいなんてのは皆無。日本のはなぜあんなにおいしいのか。やはりお客様のためによりおいしいものへを追求した結果なのだろうなと思う。
とにかくまずい、うまいの贅沢は言ってられない。背に腹は代えられぬ。
インスタントラーメンとにらめっこしていたら、チュキは一つのパッケージをむんずとつかみ、上から叩いた。そして袋をあけてバリバリ食べている。
は!鍋にいれて作るのではなくベビースター方式か!
それなら食べられるかもと、韓国のキムチ味麺をチョイス。袋を叩き、スープの粉をいれ、袋の口をぎゅっとつかみ、30秒フリフリ。袋をあけると真っ赤にそまった砕けた麺たち。指が汚れるので、袋から直接口の中に流し込んだ。
バリバリと食べていると、まあなかなかうまい。辛いがキムチの辛さは好きなのだ。正直、ベビースターラーメンは好きではないし、そもそも食べない。小さいころ食べていたかもしれないが、そのときでさえ、別にうまいと思ったことがなかった。
なのに今はすこぶるうまく感じる。袋を真上にあげ、口の中に全部ほおりこんだ。バリバリバリ。口の中の水分が全部奪われたが、いやな奪われ方ではない。熱いお茶を飲みながら食べるとなんともいえない口福感に満たされる。
すると、ブータンでの推し、ニマが何かもってやってきた。
蒸しジャガイモ。パラパラっと塩をかけただけのシンプルなものだが、B級グルメを食べた後の塩味は最高。やっぱりわかっている。わたしをわかりきっている。
こんな人と結婚したい・・・うっとりとした目をニマに向けながら、ゆでジャガイモをほおばったのだった。
ちなみに、このジャガイモはインド産だそうで、なんとインドはジャガイモ生産は世界2位なのだそう(チュキ調べ)。
インドってそんなにジャガイモ王国だったのか。そういえば、サモサもジャガイモだし、カレーにもジャガイモいれるし、ポテトプライもよく見かけるし、ジャガイモ消費率は高いような気がする。
インドの土地はやせているイメージがあったのだが、このメークインのような細長いジャガイモ、ねっとりとして、ほんのちょっとのお塩が甘味をプラスしかなりのおいしさだった。
ブータンにきて初めてうまい!と感じたのはモモとサモサだったが、次においしかったのがこのただ蒸しただけの蒸しジャガイモだった。