ゲレプ唯一のライトアップ
昨日までのブータン旅行記はこちら。
市場での買い物が終わり、気遣いのニマがこれまたいい提案をしてくれた。
「このまま帰る?どこか行く?」
まだまだ街をぶらつきたい。初めての場所というのもあるが、ガイドブックはおろかネットにもさほど情報がなかったゲレプ。一体どんな街なのか。
インド国境が近いとはいえここはブータン。
ブータンの国の施策により、伝統家屋を守るため、家のデザインは似たようなものが多い。木で組み立てたようなものの上に屋根がついているスタイル。この木にもひとつひとつデザインが施されていて、簡素になりがちな家に彩りを添えている。壁に龍を描くのもブータン流。ブータンは別名、ドゥルックユル(龍の国)と呼ばれるだけあり、龍は守り神のような存在。
どんなに新しい家、マンションのようなものにもこの木組みスタイルが使われている。
ちなみに4,5階あってもエレベーターはほぼない。古い家の場合、かなりの急階段のときがあり、そんなときはお尻から落ちていけるように、座った状態で降りたりして、けがをしないように気をつけなければならないほどだ。
街中にはチベット仏教を国教とする世界で唯一の国ということで、マニ車。
ティンプーの街中にもあったが、あまり回している人を見たことがない。マニ車を一回りさせると、経文を一通り読み終えたのと同じ功徳が得られるというなんとも便利かつ合理的な仏具だ。チベットではミニマニ車をもってくるくるしながら仏教寺院の周りを歩いている人を多く見かけた。
もちろん、大きなマニ車本体をぐるぐる回している人もいた。
建物の外側にマニ車がたくさんついているときは右回りでマニ車の下にある取っ手をつかみ、ぐるんと勢いよく回していく。これがなかなか楽しい。何も考えずにひたすら取っ手に手をかけ、マニ車を押し、ぐるぐる回していく。ゴロゴロと音をさせながら、多くのマニ車が回っているさまは圧巻。
チベット仏教徒ではないが、マニ車を見つけると、くるくる回しながら、いつも建物を一周するようにしている。
街の中心部から少し離れたところには最近作りました感満載のブッタinガラス。何千年も前のもので希少価値があるならまだしも、最近作ったらしいブッタにこの頑丈なガラスプロテクト。ということで、仏教寺院というわけではなさそう。
寺院ではないから入場無料。好きに入っていいらしい。
ここには大きなマニ車がどど~んと。
軽く手を添えたぐらいじゃ回らなくて、神輿を担ぐような掛け声
「えいや~」と言いながら回さないと勢いよく回ってくれない。
しかも、相当力をいれないと1回転しないという。
こんな重いマニ車を全部1回転させるのは至難の業。お姉さんはどうするのだろうと眺めていると、1回転にこだわることなく、一列に並んだマニ車の取っ手をつかみ、軽く押していた。
1回転させると経典を一通り読み終えたことになるということは中途半端なまわしだと、読み終えたことにならないから功徳を得られないのでは?と思うのだが、まじめすぎるのだろうか。
押しのニマにそのあたりを聞いてみると
「う~ん、僕、ヒンドゥー教だからよくわからない。けど、1回転にこだわらず回せばいいのでは?最近は電動マニ車もあるからそのあたりは厳密にならなくてもね」
みたいなことを言っていた。
電動マニ車・・・くるくる回すだけで功徳も驚いたが、電気の力で回っているのをみているだけでも功徳を得られるということか。楽すぎる。そんなんで神仏の恵みをいただけるのであればぼ~っと見てるけどなと思ってしまう。
仏教寺院じゃないにしろ、マニ車があるのに人がいなさすぎる。ブータン人はあまりマニ車を回さないのか。そういえばあまり回している人を見たことがない。
こちらのブッタさまはやさしげというかかなり寂し気なまなざしで見ているこっちまで悲しい気持ちになる。
しかし、夜になると・・・
ライトアップされて表情まで明るく見える。
が、近くにクラブのようなものがあって音楽ガンガン、若者がたむろしていて心を込めて祈る気分にはならない場所だ。
ゲレプの中心地を一通り歩いた結果、このライトアップブッダが一押しの観光&ライトアップスポットということがわかった。
マニ車も1回転させねばならないということではなく、回す気持ち?祈る気持ちが大事なのではないかということにしておいた。