嗅覚検査

先日、健康診断ならぬ、身体測定をやってきた。

会社側はいっちょ前に「健康診断」と言っているが、検査項目は・・・

身長、体重、視覚、聴覚、血液、尿、心電図、そして、興味なさそうに聴診器で胸の音を聞く先生との問診、とこれだけ。これで、大きい病気が見つかるのかや?と疑念懸念いっぱい。とかなり、ぶーたれながら、健康診断を受けているが、もし、「嗅覚検査」を項目に追加しれくれるなら、喜び勇んでいくはず。

視力と聴力はあるのに、なぜ嗅覚はないのか。あ、今気づいたが、味覚もない。

嗅覚検査をしてもらいたいのには理由がある。検査をしたことがないからあくまでゆきんこ調べではあるものの、あたしの鼻は「犬なみ」と思っている。そして、この犬並みの嗅覚のおかげで、日常生活に支障をきたしているのだ。

先日も、オーバー50のおじさんたち300人が集まる会議の中にいたとき、おじさん特有のあのなんともいえない加齢臭が、充満しまくり、くらくらして頭痛ガンガン。

香水がきついおねーさんのそばにいるとめまいがするし、浮浪者独特のあのもわ~んとした匂いをもろに嗅いだときなんて、一発ノックダウン。

一番思い出深いのがトルコの長距離バスに乗っている、とってもやさしい世話人(強烈なワキガ)との出会い。世界各国一人ぶらぶら旅をしていて、いろんな国の「臭」をかいでは、ウェ~~~~ってなったり、ホワ~~~ンとなったり、慣れない匂いに鼻がおかしくなっていたのだが、イスラム圏に入ると途端に、鼻が「ピ~ロ~ピ~ロ~ピ~ロ」とサイレンをけたたましくならして、警戒態勢をしくのだ。

なぜか?世界のワキガ率が非常に高いのがイスラム圏で、その中でも、強烈な輝きを放っているのがトルコなのだ(ゆきんこ調べ)。

そして、トルコである日事件が起こったのだ。

イスタンブールからカッパドキアまで、貧乏パッカーだったゆきんこは、1日以上の時間をかけて長距離バスで移動することにした。乗るバスに到着すると、あの得も言われぬ香りがどこからともなく漂っている。も、もしやこのバスの中に、ワッキーがいるのか・・・一抹の不安を覚えつつも、乗り込む。出発してすぐ、バラのようなにおいがバリバリついたお手拭きを、チケット検査をしていたスタッフ(バスの世話人)が配り始めた。

みんなが一斉に手をふき始めたことで、バラのようなにおいがバス中に充満、さらに世話人が近づいてくると違った匂いが混ざり、日本では決してかげないような、、おぇ~とした匂いに包まれ、鼻がやられ涙が出てきた。

こ、この世話人、危険だ・・・

と遠ざけようとしたものの、とってもやさしい世話人。

「ハ~イ!このバスで日本人は君だけだよ。何か困ったことがあったら何でもいってね♪」

う、うん・・・気にしてくれるのはありがたいが、君がそばにくると、具合が・・・なんて言えずに

「サンキュー」とだけ言っておいた。

前に座っていてくれたら、さほど問題ないだろうと思いきや、密閉されたバスの車内、どんどん世話人の匂いが牙をむいてきた。バスに酔っているのか、ワキガにやられているのか、意識が朦朧としてきてクラクラ。ありったけのティッシュを鼻にぶち込んでも、ちょっとした隙間から、入ってきてどんどん浸食。涙まで出てきて、ぐったりしていると、隣のおばちゃんがものすごく気にしてくれ

「あなた、大丈夫?ちょっと待っててね」

と何をするかと思いきや、世話人を呼んだのだ。

や、やめてけれ~~~~~~。キャツが近くにきたら、意識がなくなってまう~とかなり顔をブンブンふって、大丈夫アピールをしたのだが間に合わず、やさしい世話人がやってきた。

だめだ、もう駄目だ。あたしの鼻はもうもげてしまうくらいだめだと泣きながら、世話人に大丈夫だから、席に戻ってくれ~とジェスチャーしたものの、世話人、何を思ったのかあたしの前に体を寄せてきた。

た、頼む、これ以上近づかないでくれ~と心の中で叫んでいたら世話人がなんと、あたしの鼻の前に腕を伸ばし、オープン ザ ア~~ムズ。なんと、ちょっと汗ばんだ脇を全開放して、窓を開け放ったのだ。

その瞬間、人生で初めて泡を吹いた。白目をむいた。もう、おしまいだった。意識が遠のくのを感じた。

回りの人たちは、静かに眠りについたとでも思ったのか、世話人も安心して席に戻っていった。

そのあと、2時間後のランチ休憩まで記憶がない。バスを降りるとき、世話人がまた世話を焼いてくれたのだが、究極のオープン ザ ア~ムズを経験したあたしは、もはや通常のワキガくらいなら反応しない鼻になっていた。いや、すでに鼻がいかれポンチになっていた。

もちろん食欲なんてもんはなく、ひたすた外の空気を食べていた。しばらく、鼻の機能が衰え、何をかいでも、????状態だったのだが、1週間ほどで元の嗅覚に戻った。

1週間何にも匂いを感じなくなり、世界が無みたいな気分になったあの時以来、嗅覚検査が必要なんじゃないかと思っている。1~10ランクにわけ、注意事項、もし不測の事態に陥ったときの対処方法などをまとめてほしい。

視力や聴力はいいに越したことはないけど、嗅覚がよすぎていい思いした記憶が特にない。仕事にも役立ってないし・・・

特に悪い匂いに敏感な鼻だもんで、一日に一回は「なんか匂う」といっている気さえする。

ちなみに公益社団法人におい・かおり環境協会によると約95%の人が「正常な嗅覚」をもっているとのこと。また、嗅覚検査は、臭気判定士免状の交付又は免状の更新を受けるために必要な検査だとか。

そ、そんな国家資格があるのか。

国家資格は取らないけど、一度、嗅覚検査をして、正常かどうか確認したい。

#嗅覚検査



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ゆきんこ
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