伝統橋の向こう側は油断大敵
昨日までのブータン旅行記はこちら。
市場のすぐ裏手にブータンの伝統様式の橋がある。実は初めてみたときにこの風情あるブータンらしい装飾がされた伝統様式の橋にすこぶる感動したのだが、この後かなりの頻度で渡ることになる。なので、さほど珍しいものではない。
とはいえこの石造りの階段と門、それにカラフルな装飾は異国に来たという気分を盛り上げてくれる。
門の中も異国情緒たっぷり。ちなみにこういった装飾は厄除けのためだとマミーはいう。だから民家も美しく装飾しているのかと納得。
天井には色鮮やかな曼荼羅も。この橋は特に伝統文化財といった位置づけでもなく、普通に市民が使う橋。曼荼羅が普通にある生活はさすが敬虔なチベット仏教徒が多いブータンと言わざるを得ない。
雨が降り続いたせいか、濁流が流れる川をなんとはなしに眺めながら、伝統的な橋を満喫し、その先に行こうとするとマミーが
「さあ、戻りましょう」
という。え~この先も見てみたいのに・・・というと
「う~ん、なんていったらいいのかしら・・・この先は、う~ん、ちょっと危険なのよ」
ごにょごにょ何か隠しながらしゃべる。といわれるとめちゃくちゃ気になる。なんで、なんで?と聞きまくっていたら
「まあね、はっきり言うと、お金があまりないというのかしら。生鮮食品といったものも売っているけど、どうも新鮮じゃないというか・・・ちょっとしたお土産も売っているけれども、いいものじゃないと思うわ」
と、なんやかんや理屈をこねて、とにかく行きたくなさそう。とはいえ、気になるとむずむずしてくるので、ちょっとだけ見てくるから待っててと小走りにいってみた。
マミーがいうことがよくわかった。地べたにモノをおいて、たしかに衛生的にはどうでしょ?というのもある。仏具や骨董品らしきものも売っているがなんだかすすけてて、キレイとはいいがたい。別ににらみつけられたりはしないし、客寄せのようなこともされないが、なんとなく無気力。カメラを向けるのもはばかられる雰囲気だった。
ちなみに友人にこの話をしたら
「ブータンでは珍しく、あのエリアは外国人とみるやふっかけるって噂があるのよ」
とのこと。伝統橋の向こうはご注意を。
気を取り直して、ティンプー川沿いをお散歩。濁流が流れているだけなのでキレイとはいいがたいが緑が多くて気持ちがいい。
と、突如現れた金ぴかの仏像。
黄金の龍に黄金の仏像、そしてこのなんともいえぬアンニュイな表情・・・誰かに似ている・・・は!北陽の虻ちゃん!無茶苦茶似ている!
と誰にも共有できないこの発見を心の中にしまい、マミーにこの作られた感満載の仏像について尋ねると、興味なさそうに
「あ、これね、タイから寄贈されたんじゃなかったかしら?」
グルリンポチェ(ブータンに仏教をもたらした)やシャプドゥン(ブータン建国の父)、ブッタ以外は興味のないマミー。このあたりはまた別の回で詳しく。
仏像がある公園(センチネル・パーク)では踊りの練習?が行われていた。キラをきた女性が一同に介しているのをみてまたまた興奮。
男性はゴ、女性はキラと呼ばれるこの伝統衣装は、男性はさほど変わり映えしないが、女性は上下の組み合わせが微妙に違って個性を出している。という話もまた今度詳細に。この伝統衣装はなかなか奥が深くて面白く、そしておしゃれ。ちなみにハーフキラと呼ばれる上下別々のスタイルが一般的で、特にスカートは絶対にお土産として1着は作るべし!日本でかなりヘビロテしている。その選び方なども伝授いたしまする。
伝統衣装の話はおいおいで、次はバター茶の心得の巻。