見出し画像

落石、土砂崩れは日常茶飯事

前回までのブータン旅行記はこちら

トンネルはないものの、かなりキレイに舗装されていいるブータンの道路。タクシーの乗り心地はさほど悪くない。もし谷底に突っ込んだらもうそのときはそのときだ!と腹をくくると、シートベルトなしの状態でも慣れてくる。

慣れとは恐ろしいものである。

しかし、油断しているといきなりガタンと車体が揺れる。何事だ!ときょろきょろすると、隣でハンドルを握るドライバーが、気にするなとウィンクしてくる。

ウィンクされても、シートベルトをしていないから天井に頭はぶつけるわ、ダッシュボードに激突するわで、生傷がたえない。

すると今度は急ブレーキ。思いっきり頭をぶつけ、おいおいおいと思っているとドライバーが外に出て行ってしまった。

すると前方で人がわらわらと集まっている。

ドライバーに車にいろといわれたので、おとなしく車で待機。どうやら前方の車はがけ崩れに巻き込まれたようなのだ。

車がぺしゃんこになっているわけではないが、後部座席部分がうまっているようにも見える。もし、時間差でわがタクシーが巻き込まれてたとしたら・・・ぶるっと身震いした。

すると後部座席のおじさんがにこにこしながら話かけてきた。

「崖崩れ、落石、路肩の欠損・・・まあ、日常茶飯事だな」

あれ、おじさん英語しゃべれるの?今までのにこにこジェスチャーはなんだったのという突っ込みとともに、崖崩れや落石に慣れている感じの余裕な発言。隣りの女の子も、まあいつものことね的な感じでスマホをいじくりたおしている。

山を切り崩してトンネルは作ってなくても、急な斜面に車道は通してある。
ただ、必要最小限にとどめている。それはいいことだけれども、時には危険を伴う。道路を作ることで一部でも自然にメスをいれている。日本だったらがけ崩れ発生!となればこれでもかとコンクリート固めに入る。そして、こっちもか!となるとさらなるコンクリートの上塗りをする。結果、さらなる土砂崩れが起きるかもだが、食い止めることもできている。

しかし、ブータンではがけ崩れがあっても、コンクリートで固めることはしない。それなりにぺたぺたと土を固めたり、植樹をしたりして古き良き森を維持しようとはしているが、気候変動においついていない。

ブータンの道路はティンプーパロ間のメイン道路でさえ、地層がむき出しのままの箇所もある。

どの国でも地球変動との戦いは火ぶたを切っているのだ。

いいなと思ったら応援しよう!

ゆきんこ
応援ありがとうございます!いただいたサポートは次回のブータン旅行時、キッズ僧侶たちへ日本のあめちゃんを大量に購入する費用にいたします。