固形バターが食べられない
あんバターサンドなるものが流行っている。
ビスケットに、パンに、どら焼きにといろんなところであんことバターがコラボしている。これだけ人気なのだから、おいしいんだろうとは思うのだが、どうも”バターを固形のまま食べる”のができない。
バターはお菓子の中に入っていたり、パンの場合もぬって焼いて溶かした状態がいいのであって、固形を食べるのが想像つかない。
バターアレルギーでもなく、なんだったらバターしみしみのパンは大好物なのだから、きっと固形バターもいけるんだろうと推測するが、どうも手出しできない。
小学校の給食でコペパンに銀色の紙に包まれたマーガリンがついていた。給食だからパンを焼いて食べることはできず、生パンにマーガリンをぬって食べるのだが、マーガリンはほどよく柔らかくなっていて食べやすく、コペパンとマーガリンのコンビは大好物だった。
だが、たまに金色の紙に包まれたバターがやってきた。こいつがいただけない。冷凍庫にいれていたのか?というほどガッチガッチでなかなかやわらなくならない。スープの器の下に置いて少しでも柔らかくしようと試みるが、おなかがすいて柔らかくなるまで待てない。
しかたがないのでスプーンですくってパンに塗ろうとすると、ガッチガッチだもんだから強く押し付けすぎてパンに穴があいたりする。固いのもいただけないし、パンにぬってもおいしそうに見えず、無理やり食べていた記憶がある。まったく溶けずに固形バターが残っていたりするときは、残していた。
マーガリンよりもバターのほうが高級でしかもヘルシーであるからして、紙も銀色と金色にわけていたのだろうと想像するが、金色のバターが目に入ると
「今日はバターか・・・」
とがっかりしたものだ。
ということで、その記憶のせいでいまだに固形バターがドンとのっているものはどうにもこうにも受け付けない。
先日、あんバターどらやきなるものをいただいたとき、さて、どう食べようと悩んだ。
バターだけをとりだして、普通にどら焼きとして食べるか・・・いや、それじゃ面白くないし、何より食料自給率が劇的に低い日本にいて、食べ物をすてるなんてありえない。
で、考えたのが、焼いてみる。
どら焼きの生地もぱりっとなってうまいかもしれぬ・・・とオーブンで1分ほどいれてみたところ、どろどろになったバターが生地にしみしみになり、べったべった。あんこにもどろんとしたものが広がり、おいしそうに見えない。ナイフとフォークで食べた見たところ、そもそも焼いて食べる仕様ではないようでどうもしっくりこない。
こうなったら、久しぶりに固形のまま食べるか!とチャレンジしたもののやっぱり脳が受け付けないんでしょうね・・・う~うまい!とならない。口の中がバターに占領されてしまってやはりだめだった。
あんことバターはきっとあうんだろうが、脳が拒否反応をしているため美味しく感じられない。残念すぎる。
でも、いいバターなのは間違いない。やはり王道で食うべし!バターを取り出して、パンの上に置いて焼いてみた。
かりっと焼いたパンの真ん中にしみしみになったバターは甘味があってうまさ爆発。そこにあんこをトッピングしてみたらこれまた最高!
ということで、せっかくあんバターサンドをいただいたいたのに、どらやきの皮だけ別に食べるという、よくわからない食べ方をしているのである。