フライパンにヒナ
今朝、ほろほろ鳥の最後のひとつで目玉焼きを作ろうとした瞬間、いやな記憶がフラッシュバック。
ほろほろ鳥の卵との出会いはこちら
スーツケースの中に卵をいれてスーツケースを物置棚から落としてもびくともしなかった頑丈なほろほろ鳥の卵ちゃんたちは本当に割れにくく、特に最後の一個はガンガンたたいてもなかなかうまい具合にひびが入らない。
それどころか外側の殻も固いどころかちょいと見え隠れしている中の薄皮もビンビンにはっている感じがしているのを見た瞬間、手が止まる。
も、もしやヒナになっちゃたんじゃ?
もしかわいいヒナになっている途中の状態をフライパンに落としてしまったら、今度こそ二度と目玉焼きを作るために卵を割れなくなってしまう。
というのも実は亡きじいちゃんは無類の動物好きで特にニワトリにかけては命をかけていたといってもいい。そんなニワトリラブなじいちゃんのおかげでさまざまな体験をさせられた。
このあたりのじいちゃん話は過去note参照
読み返してみるとニワトリの毛をむしり取る当番とか無茶苦茶な子ども時代。そのおかげで今のちょっと風変わりなわたしができあがったのであり、感謝せねばなるまい。
ちなみに、もう一つ、卵回収当番というも課せられていた。
卵は無精卵(食用)と有精卵(ヒナ)があって、基本、かわいいチャボがいるほうの日が差し込むハウスのほうに無精卵があり、日の当たるハウスだけにいっていたのに、なぜかその日は目がギラギラの闘鶏たちがいる薄暗い小屋をチラ見してしまった。すると奥にかわいいチャボちゃんたちがいるではないか!
なぜじゃ~とチャボに歩み寄り、チャボのお腹に手をいれるとやっぱり卵がある。
ということで、回収し、台所へ。
そのあとは自分と弟が食べる分の目玉焼きをつくるのがルーティン。いつものように卵をトントンしてもなかなか割れる気配がない。
弟も自分の目玉焼きが焼きあがらないと朝ごはんがスタートできないとばかりに隣にくる。
おや?と指を突っ込み、ようやっとあいたぞ!と卵白がもれないようにあわててフライパンのほうに移動し、ぱかっと開けると・・・
毛がべっとり、目がぎょろんとしたヒナもどきがフライパンにごろん。
「ぎゃーーーーーーーーーーー」
と弟と発狂したのは言うまでもない。
すると、お母さんとじいちゃんが一緒に来て、ヒナをチラ見しながら
「おや、ヒナどこ持ってきてしまったってが。おめ、シャボのほうさいったべ。あっちはシャボの卵をあたためさせるためのチャボを置いてるからいつもと卵と違うべ」
とかなんとかいったはずなのだがショックの方が大きい。
そもそも、無精卵やら有精卵やらは小学生にわかるわけもなく、そもそも見た目が同じ。
この事件からトラウマとなり、しばらく卵が割れなかったのだが、卵焼き大好き人間だったのでほどなく忘れ、普通に卵焼きを作って
あれから30年。
まさか同じような体験をするとは。
ただ今回はほろほろ鳥のヒナは現れず、普通の目玉焼きが作れた。ガンガンたたいたせいで、黄身は割れてしまったのだけが悔やまれる。