映画『望み』観賞
2020年の映画『望み』がAmazonプライムに登場したので早速観てみました。
監督 堤幸彦
出演 堤真一 石田ゆり子
原作 雫井脩介
原作は知りませんでしたが、予告編をテレビで何度か目にしていて、内容はなんとなく知っていました。
高校生の息子が姿を消した日、殺人事件が起こる。
被害者は息子の同級生。
逃げた加害者らしき二人の人物もどうやら少年。
しかし、被害者の周りで姿を消した少年は息子を含めて三人。もしかしたら三人目も殺されているかもしれないという噂がたつ。
息子は加害者なのか、それとも…というストーリーです。
「サスペンスエンターテイメント」というくくりのようですが、最後に大どんでん返しがあるという訳ではありません。
息子が見つかった時、それは加害者としてなのか、被害者としてなのか。
結末がどちらになるのかは、観ているとなんとなくわかる。というか観る前から想像はつくかな。
でも、この作品で大事なのはそこじゃないんですよね。
結果がどちらに転ぼうが、この作品で見せたいのはその家族の心の揺れ模様。
『望み』というタイトルですが、これは、
「息子は殺人なんてしない。殺人犯なんかじゃない」と信じたい父親。
「お兄ちゃんが殺人犯だったら、この先自分の人生はどうなってしまうのか。お兄ちゃんが加害者だと困る。それなら被害者の方が…」と思ってしまう妹。
「息子は殺されてなんかいない。加害者だったとしてもいいから生きていて欲しい。生きて帰って来て欲しい」と願う母親。
家族の本当の望みは、またすべてが以前のように元通りに戻ることだろうけれど、それはもう無理で、加害者か被害者かどちらかの結末しかないのであれば、どちらを望むのか…そういうテーマです。
原作がいいのか、脚本がいいのか、監督がいいのか、役者がいいのか…全てがいいのかな!?
凄く胸にきます。
とても辛く、重たい話ではありますが、でも、最後は息子が家族を救ったんですよね。息子が家族の人生を守ったんです。そんな風に思いました。
備忘録としての簡単な感想まで。