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国内MBA:合格する出願書類の書き方 #2 - あなたの「過去」を伝える方法(後編)
coconala(ココナラ)で国内MBAを目指す受験生をサポートしているゆきんちゅです。2020年から出願書類(願書)の添削サービスを提供しています。
添削サービスを依頼いただく受験生が作成する願書は実にさまざまで、各受験生に合わせた添削と解説を提供しています。これまでの経験をベースに、新しいプラットフォームでより多くの受験生に合格する願書の書き方を伝えたいと思い連載を始めました。
この記事は、願書のうち「過去」に関する書類の書き方の後編で、問題解決型のエピソードの定番フレームワークであるSTARモデルについて解説します。前編と中編については下記の記事を参照ください。
STARモデルとは
簡単におさらいすると、STARモデルはSituation(背景)、Task(課題)、Action(アクション・行動)、Result(結果)の頭文字を取ったもので、読みやすいストーリーを作るための定番フレームワークです。
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Action(アクション・行動)
問題解決型のエピソードの第三ステップであるAction(アクション・行動)では、第二ステップのTask(課題)をどのように解決したかを記述します。
添削する願書の中には、課題を解決するためのアクションを何の苦労もなかったかのように淡々と書き連ねて終わってしまうものがあり、せっかく良い課題を設定したのにもったいないな…と思うことがあります。
私は、ビジネスパーソンとしての資質や行動特性を最もアピールできるのがこのステップだと考えています。具体的には、課題の分析、解決策の立案、ステークホルダーとの調整、プレッシャー耐性、リーダシップが発揮された場面を見つけ、説得力のある事実・データを使いながら大学側のニーズとのフィットを論理的に説明します。
もし、課題の解決が何の苦労もなくできてしまったのであれば、それはベストなエピソードではないかもしれません。Situation(背景)やTask(課題)に戻ってもう一度考えてみてください。
ステークホルダーとの調整を例にとると、会社の事業は社内外のステークホルダーとの関係性の上に成立していますので、解決策の規模が大きければ大きいほど、それを導入した時のリアクションは大きくなります。つまり、解決策が不利益と感じる人や組織からの反発を理解し、双方が受け入れられる条件を見つけるストレスフルな調整が不可欠になります。時には感情がぶつかる会議を仕切る場面もあるでしょう。
こうしたエピソードだと、冷静な課題分析や自分の感情を見せて周りに影響を及ぼすリーダーシップといった行動特性を描写して効果的に読み手に伝えることができると思います。
以上を踏まえて、書籍やインターネットで入手できる合格者の願書を読んでみてください。上記のポイントが巧みに文章に落とし込まれている願書をたくさん見つけることができると思います。
Result(結果)
問題解決型のエピソードの最終ステップであるResult(結果)では、あなたが課題を解決したことで、会社の経営にどのように貢献したかを定性的かつ定量的に記述します。
経営への貢献の度合いは大きければ大きいほどインパクトがあり読み応えがあります。成果が所属している組織から、事業部のようなより大きい組織に波及し大きな成果に繋がればよいエピソードになるでしょう。
もう一つ大事なポイントは、成功体験と合わせて、こうすればもっと良い成果になったかもしれない、という内省をすることです。なぜなら、この内省がMBAに入学して経営学を学びたいという強烈な志望動機となる場合があるからです。あなたの「過去」を述べた業務上の実績と、「現在」を述べる志望動機が内省を通して繋がると一貫性が生まれ、説得力のある願書が出来上が
ります。
まとめ
今回の記事は以上です。国内MBA:合格する出願書類の書き方 #2から#4で「過去」を伝える書類、特に業務上の実績に焦点を当てて解説をしてきました。国内MBA:合格する出願書類の書き方 #1で、願書はあなたの「過去」「現在」「未来」を凝縮した書類であることを説明しました。次の記事では、あなたの「現在」を伝える書類について私の考えを述べたいと思います。
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