はじまりと終わりの線と点
数日前に坂本龍一さんが鬼籍に入られた。闘病中に録音されたと言われるオリジナルアルバムは、録音された日付がタイトルとなり、まるでその日の感情の波や体調を音で綴るような、いつもの軽やかな旋律もドラマティックな展開も少なく、ただ自然界の現象を音の粒子に載せて表しているかのようだった。
病床に於いて、それはきっと確実に「終わり」を意識しているはずなのに、何故だろう私には全てが「はじまり」のように聴こえてしまう。時折聴こえる機械的な呼吸音すら、苦しみの中で生きていた証として残されたの