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4カ月のフリータイムを得たら、どう過ごしますか?

(2018年2月8日)

アスリートにはオンシーズンとオフシーズンがあるけれど、一般社会に出て働く人たちにはそういった概念は存在しません。


私は、アスリートとしてのオフシーズン4カ月間を日本や海外で過ごし、「オフシーズンで日本に帰国しています」という類いの言葉を使用する回数が多かったのですが、この言葉に対して不思議と疑問をもつようになりました。


オフシーズンなんだけれど、オフを過ごしている感覚はなくて、むしろ違うオンシーズンのスイッチが入っている。そう感じるようになりました。
もし、みなさんが4カ月のフリータイムを得たら、どのように過ごしますか?


こういった時間を与えられた時、本当の意味での生きる目的、生きる本質というものを問われているように感じます。


会社という組織に属していると、拘束時間があったり、すべき業務があったり、勤務時間が決められていたりと、何かしらの制限があると思います。こういった職業に当てはまらない方ももちろんたくさんいるとは思いますが、自分ですべての仕事を選択している人の方がマイノリティになると思います。


時間的・空間的制約に縛られたくない人は、選択の自由度をある程度高くしたライフスタイルを送っていると思います。


会社に行かなくてもいい、仕事をしなくてもいい、自由に自分で選択できるという状況で、自分がどのようにスケジュールを組み、どんな仕事を受け、どんな仕事を依頼し、どんな仕事を生み出すのか。そしてその中で何に対して、誰に対してお金と時間を費やすのか。



自己投資と、人に費やす時間


自分のこの4カ月間のスケジュールを振り返ってみました。

トレーニング(合気道やその他スポーツ含む)に費やした時間は約185時間。英会話に30時間。

TV・インタビューが9本、イベント・講演・トークショーの出演が23本。ミーティング(食事を含む)が31回。

その間にヨーロッパに10日間、グアムに5日間滞在しました。


気付いたら家には寝に帰っているような状態の日々で、年末年始を実家で過ごした以外は、比較的せわしなく慌ただしい日々を過ごしていたように感じます。


その中でも読書をする時間や、自分と向き合う時間というのはつくるようにしていて、空いた時間を見つけてはカフェや移動時間に読書をし、ノートにアウトプットする作業もしていました。


今までのオフの過ごし方といえば、どちらかといったらトレーニングや遊びといった自己投資に費やす時間がほとんどで、「人のため」に費やす時間はごく限られていました。

オフシーズンで日本に帰ってくる期間も今の半分以下だったので、とにかく自分のやりたいことが先行していましたし、仕事(イベントやサッカー教室、講演など)をするのがどちらかといえば億劫でした。

時間というのは有限で、何に対して時間とお金を費やすかによって、自分が死んだ後に周囲の評価や印象によって自分の価値が決まる。そんなことを考えるようにもなり、以前よりも人のために費やす時間が増え、自分に対する投資の仕方も変化してきました。


結局、人のために役に立とうと思ったら、自分が成長し続けなくては常によりよいモノを提供していくことはできません。


人の心に何かを残せるような言葉を発信し続けていくためには、自分自身が常に新しいことにチャレンジし、変化を求めて常に新しいものを取り入れようとする姿勢が大切だと感じているからです。


「自分」という枠をつくらない


そして、人のために何かをできている時間というのは本当に幸せで、そこで見ることのできる笑顔は、私にとっての人生の喜びの一つになっています。
たくさんの笑顔に包まれて仕事ができること、自分のやっていることで人が笑顔になる瞬間は、本当にこの仕事をやってよかったと心から思えると同時に、次に向かうためのエネルギーにもなります。


それは、「よりよいものを」という精神が根底にあり、人を介してアウトプットすることによって起きる現象や反応から、またどういったことが必要なのかということに気付かされるからです。


この期間に様々な活動をさせていただきましたが、まだまだ言語化が足りなくて説明が不十分な部分もあり、完全には理解しきれていないことがたくさんあることに気付かされました。


来週からアメリカに戻り、再びサッカー選手としての日々を過ごすことになりますが、このオフシーズンにトライしたことが結果になって現れてくると思うので、今から非常にワクワクしています。


自分という枠をつくらず、ただ新しいことにトライし続ける。そして、それを無意識レベルになるまで続ける。この繰り返しだけでも、人生はより一層豊かに感じられると思います。


人に対して費やすばかりではなく、より質の高い貢献をしようと思ったら、自己投資に費やす時間も必要だと思います。そのバランスを大切にしながら、これからも今を生き続けていきたいと思います。

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永里 優季
みんなが協力しあって生きていける社会へ。愛と共感力で、豊かな世界を創っていきたい。サッカーが私にもたらしてくれた恩恵を、今度は世界に還元していきたいです。