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インターセックスと性分化疾患(DSD)の使い分けについて
インターセックスという用語と、性分化疾患、そしてDSDという用語について、海外の潮流も含めて、使い分けについて書いてみたいと思います。
インターセックスという用語について
まずは、インターセックスという用語について。海外では「Intersex」、そのままですね。で、昔は一度、インターセックスという言葉は、中間の性のイメージや、半陰陽のイメージ、男女どちらでもあるイメージ、男女どちらでもないイメージがあったり、あと「セックス」と言う言葉が入っていたり、などで、忌避されていたのは事実です。それで、「シカゴコンセンサス」と言われる、当事者や医療者やその他が集まって会議を開いて、インターセックスという言葉から、「DSD(Disorders of Sex Development)」(日本語で「性分化疾患」)という言葉が使われるようになりました。
しかし、今でも「インターセックス」の言葉は生き残っています。一つはアイデンティティとして、そして、インターセックスの人の各種の権利(勝手に性別を合わせるための手術をしない、など)を求めるための、ムーブメント(活動)のための言葉として。
なので、アイデンティティや、また各種権利や活動をする際は、「インターセックス」の言葉が使われることが多いです。また、「医療用語」である「DSD」(性分化疾患)と明確に分ける意味で、当事者の「医療」ではない言葉として、「インターセックス」の言葉を使うことがあります。
DSDという言葉について
これ、DSDで検索すると、音楽を聴くシステムの、高音質な物をもとめるものが引っかかってきて、むしろ検索しにくいという問題がありますが、それはおいておいて。
DSD(Disorders of Sex Development、近時ではDifferences of Sex Development)と、「Disorders」(障害)ではなく、「Differences」(様々な状態)とされることもありますが、
どちらかと言えば、医学用語、医学タームに近い言葉と認識されているケースもあるようです。
上述の通り、「シカゴコンセンサス」で、「インターセックス」から「DSD」に変わったのですが、実際には医学的要素が強く、権利を求めたり、アイデンティティタームとしては使いにくい用語になってしまったようです。
なので、医学的な話をするときにはDSDを使うような感じで海外では運用されていたりします。(DSDという言葉自体を忌避する海外当事者も実は多いです。)
性分化疾患という言葉について
まぁ、漢字で書かれているので、日本独自の用語だなと言うのはおわかり頂けると思うのですが、これもDSD同様、というか、実際にはDSDという言葉を日本語に割り当てた用語なので、医学的要素、医学タームの要素が強いです。
なので、アイデンティティや、権利を求めたりするのには少し使いにくい用語だったりします。
そもそも、インターセックス、性分化疾患はアイデンティティなのか
これ、結構複雑な問題でして、でも、インターセックス(医学的にDSD:性分化疾患)の状態で産まれた人が、自分自身のアイデンティティとして、インターセックスというのを持つのは、特に海外ではよく見られる現象みたいです。日本ではあまりその傾向は弱いですけどね。
日本では、各疾患ごとにアイデンティティや所属意識を持つケースが多いですが、海外では「インターセックス」として、総称してのアイデンティティを持つ人が結構居たりします。
インターセックスと言う言葉の元に集まって
インターセックスという言葉だと、いわゆる30〜60疾患ほどあるインターセックスの状態全体を指しますし、またアイデンティティタームなので、インターセックスを持っている、というアイデンティティにもなります。そして、複数の、いろんな疾患の人が集まって、権利や、人権を求めたり、また交流しやすいというメリットはあります。医学用語や医学タームである「DSD(性分化疾患)」だと、どうしても医療的な話が中心になってしまうため、アイデンティティとして持ちにくかったり、権利や人権を求めたりなどの活動がしにくい、という問題ははらんでいたりします。
今度、インターセックスのフォーラム・研修プログラムに参加してきます
実は、今のところの予定ですが、10月の後半に、インターセックスのフォーラムや研修プログラムが、みっちり1週間に渡ってあるので、参加してくる予定にしています。
そこで、インターセックスについての背景や、他の国の状況や(どうやら日本は少しガラパゴス:独自:の動きになっているっぽいので)、権利や人権を求める活動などについて、しっかり勉強して、また交流して、聞いてきたいと、そして日本の状況についても発信してきたいと思っています。
なお、アジア分会ではあるのですが、もちろん公用語は英語なので、頑張ってインターセックスやDSD関連の英語を勉強してます。
あ、もちろん、日本での開催ではないので(海外です)、また海外旅行になりますが。
そこで学んで、感じて、得てきたことを、いろんな場所でフィードバックしたいと思っています。