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【介護3.0時代】 介護士のキャリアについて
介護保険外のオーダーメイド介護サービス「イチロウ」を運営している株式会社LINKの水野です。
もうすぐ今期も終わり、私の介護業界での経験も13年を迎えようとする中で、サラリーマン時代に感じたことやこれから作っていこうとしている介護士のキャリアについて書いていこうと思います。
私の13年間の介護経験
私の介護業界での経験は、18歳で介護福祉士の資格を取得する専門学校に入学したところからスタートします。なぜ介護士になろうと思ったかは別の場所でお話をするとし、20歳で卒業し晴れて介護士として働くことになります。
社会福祉法人での介護職員時代
初めての職場は、愛知県小牧市にある特別養護老人ホームでした。
まだ資格を取得したばかりで、現場経験のない私に、介護技術や介護観、仕事とは何かを教えてくれたた場所でした。三沢さんというバリバリにできる女性の介護リーダーの方に怒られながら仕事をしていのを覚えています。
特別養護老人ホームは、株式会社などの民間企業では運営が認められておらず、社会福祉法人が運営主体になります。
就職した特別養護老人ホームは、私が就職したと同時にオープンする新規開設の老人ホームでした。私と同じように新卒で入社した介護士が10名程度おり、その他にも介護経験者の先輩がたくさんいました。
入社して2年ほど立った頃から、リーダークラスの方が大量に離職し、私たち開設新卒組がリーダーになっていく現象が起こり始めます。
リーダークラスに昇格することで、介護士として目の前のお客様の介護をするだけでなく、数十名のご利用者全体のマネジメントも意識するようになりました。
しかし、リーダーとしての役職手当は毎月5,000円・・・
リーダーから更に昇格した介護主任(介護士80名程度のトップ)でも数万円と大差ない手当だと聞き驚きました。
毎年の昇給も3,000円と、月数十時間の残業をしないと、夜勤を含めても20万円を超えることはありませんでした。
この現状の中で、何度も介護からのキャリアチェンジを考えました。
人材紹介サービスを利用しても、まともな企業は紹介してもらえず、士業系の資格を取得する学校へ通ったり、通信制の大学へ入学するなど、なんとか現状から脱出するための努力をしました。
わざわざ2年間も高い学費を払って介護福祉士の資格を取得しても、この生活なのかと何度も悔やみました。
そして、悶々と介護士として働くのではなく、チャンスの多い民間企業へ転職し、マネジメント側として働きたいと思い転職を決意します。
民間企業での施設長時代
25歳の時に、有料老人ホームを運営する民間企業へ転職します。
5年間の現場経験と、ホテル業界のホスピタリティ精神やビジネスについて独学で勉強をしていたことを活かして、施設長として働き始めます。
結果的には、勉強してきたものは全く通用せず、マネジメントの難しさを痛感しながら、5年間で4つの施設を渡り歩きました。そこで、カテゴリー毎の介護保険法の仕組みやスタッフ教育・マネジメントについてトライ&エラーを繰り返し行っていきます。
この民間企業においては、1000人以上の介護士が働いていましたが、まともな人事制度はなく、定期的な昇給もありませんでした。よく介護スタッフからは、「昇給がないから長く働く意味がありません。昇給制度を作ってください」と何度も言われたことを覚えています。
そんな社内の人事制度と合わせて、介護士のキャリアについて話をすることも多くなっていきました。
介護業界は、基本的にはパートやアルバイトが多い業界です。ほとんどが人間関係で辞めて、近くの介護事業所で働くことをコロコロと繰り返す人が多く、定着率に課題を多く感じていました。しかし、人事制度はなく定期的にガス抜きの話を聞くだけです。
そんな現状の中で、介護士として夢を持って仕事を始めた自分のような人たちが、努力する人が報われる業界にしていかないといけないと思いました。介護士になっても、きちんとした評価もなく人間関係を理由に職場を転々とし続ける構造をなんとかしないといけないと感じました。
介護士のキャリアについて
私が、介護業界で一番に課題に感じる部分は評価がない、もしくは評価の重要性を理解している企業が少ないことだと感じています。
その課題を生み出している要素が2つあります。
課題1:介護報酬による評価がない
介護保険上、誰が介護をしても介護報酬は基本的に同じです。(経験年数や資格をもとに介護事業所を評価する加算はあります)品質の高いケアを提供してもしなくても同じです。
現場で、よりよい介護をしようとする介護士に報いることができない構造になっています。介護保険上の構造については、介護士の賃金がなぜ上がらないのかのブログでも書いていますので読んでみてください。
課題2:介護サービスの質を評価する方法がない
サービス全般に言えることですが、形の残らない無形性であるが故に、介護サービスを評価する方法が極めて難しい。介護保険では、経験年数や資格による評価などがありますが、長く働いていれば良い介護が提供できるのかはわかりません。
この2つの解決されない限り、介護保険の中で努力する介護士が評価されることがなく、きちんとしたキャリアを描いていくことができません。
少なくとも、介護サービスの質を評価する方法については、もっと議論すべき余地があると思っています。
今の先に、夢を持って介護士になった若い世代の人たちに、努力すれば明るい未来開けるというキャリアを示すことはできないと感じています。
イチロウで作り上げたい介護士のキャリア
私たちが運営するイチロウでは、この課題を解決するための仕組み作りを行っています。
構造はとてもシンプルで、サービス1回毎の「お客様評価」「イチロウ担当者評価」を蓄積し、その介護士のサービス品質を数値化し、時給へ反映させることです。
現段階では取り組んでいる最中であり、今後は「お客様評価」「イチロウ担当者評価」意外にも、サービスを評価できる指標をもうけ、より精度の高いサービス品質の定量化を実現していきます。
飲食店のように、高い食材とシェフの技術、お店の立地や雰囲気などで料理の値段が変わるように、高い技術とホスピタリティを持った介護士に介護を依頼する場合には、それなりの料金を支払い、介護士が賃金として受け取る仕組みを作っていきたいと思っています。
イチロウのプラットフォームでは、努力すれば報われるという感覚を介護士の皆様に持ってほしいと思っています。その先に、わたしたちが目指す「年収1,000万円の介護士」がいると信じ進んでいます。
介護業界の中で、介護士の努力が積み上がりキャリアを形成していく考え方と手法を、イチロウが体現し、介護業界へ還元していけるよう努力していきたいと思っています。
<注意>
今日の記事の中では、私が働いてきた職場の課題感について書きましたが、あくまで私の主観であり、これまでのいくつかの職場で教えていただいたことなどについて感謝しており、素晴らしい職場ばかりでした。誤解のないように付け足しておきます。
そんなイチロウを運営するLINKでは仲間を募集しています!
イチロウでは、さらにサービスを成長させてくれる仲間を募集中です!
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