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データ戦略を作れるようになるトレーニング(データストラテジストの筋トレ)とは

最近、「マーケティングトレース」という考えを知り、何をするにもトレーニングって重要だよなと再確認をしていました。(マーケターの筋トレ方法として紹介されています)

私の普段の仕事領域の1つにデータ戦略の策定があります。クライアントや自社が保有するデータをどのように利活用していくか、どのようにマネタイズしていくか、ということを優先順位をつけながら意思決定し、実行していく仕事内容です。

今後あらゆる業界でDXが進んでいく中で、データを利活用する知識・技術というのは最重要です。

今回は、データ利活用を進める上での考え方を整理してみました。想定企業を元に「トレース」するとトレーニングにもなるので是非ご活用ください。


データ利活用を推進する上で重要な考え方

データ利活用の推進をする上で、目的の設定と現場の理解は抑えるべき重要なポイントになります。

事業成長につなげるために、どういう分析テーマを持つべきか。その分析結果を誰がどういう風に使うのか、どういう利便性があるのか。ということを明確にしなければ、かなりの確率で失敗することになるからです。

ありがちな失敗例ですが、どれだけ優秀なデータサイエンティストをひっぱってきても、大きな成果が出ない。という企業は実は技術の独りよがりになっている可能性が往々にしてあります。

データサイエンティストの技術と現場理解をうまく繋ぎながら、事業成長を高める役割を担える人がいることがデータ利活用の推進を成功させる上で重要になってきます。

その業務領域を担う人をデータストラテジストと呼んでいます。


データストラテジストのトレーニングについて

「マーケティングトレース」から着想を得ていますが、私が普段やっている学習方法はトレースとディスカッションです。

前段でも記載しましたが、データストラテジストに求められるスキルは、大きく3つあります。

ビジネス理解
データ理解
現場理解

この3つのスキルを伸ばすために、想定企業を用意し、トレースしてみて、それを元にディスカッションをするというやり方です。

トレースは想定企業を用意して、どう言うデータ戦略をとるべきか(とっていそうか)ということを想像し作成します。ディスカッションはトレースして作ったものをベースに業界に詳しい方や技術面で詳しい方と議論をしてみます。実際にどういうアルゴリズムを使ったら実現しそうかや、現場ではこう言う課題が出てきそう、といった気づきが得られます。


Youtubeを事例に考えてみる

今回は、私がデータと聞いて真っ先に思い浮かぶ最強企業Googleを例に、どういうデータ戦略を作っているのかを想像してみます。
サービスがかなり多岐にわたるため、今回はGoogleのYoutubeをトレースしてみます。

データ戦略の策定は、下記のように進めていきます。

①ビジネス構造の理解
②分析テーマの設定
③アウトプットイメージの作成

▼トレース事例

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①ビジネス構造の理解

まずはビジネスの構造を可視化し、どこにマネタイズのレバーがあるかを確認します。(説明上シンプルに書いていますが、詳細に書けばもう少し構造は複雑化します)

戦略策定をする上で、全体構造を理解していないと、何のためにやるべきか、何からやるべきか、がブレてしまうため、必ず構造は理解しておくようにします。


②分析テーマの設定

次にマネタイズのレバーに対して、どういう打ち手が考えられるかを洗い出し、実際に分析するテーマを設定します。

ここでは、「広告価値の向上」をというレバーを対象に分析テーマを検討してみます。繰り返しになりますが、この時もなぜ「広告価値の向上」をさせることがビジネスメリットに繋がるのかを、言語化しておきます。必ず目的と得られるリターンを意識するようにしています。

解決する目的が決まれば、目的に紐づく変数(目的に影響を与えそうな事柄)を洗い出します。今回は「広告価値の向上」に対して影響がありそうな「いつ・誰に・どういう広告を当てるべきか」という変数を記載してみました。(広告価値というのは1回の広告接触あたりの広告効果と定義しました。)

変数が決まれば、データを活用することで、どのような結果を得られそうかを仮説立てします。

この洗い出しをすることで、目的を達成するために何をしなければならないのか、何から手をつけた方が良いのかが検討できる状態を作ります。


③アウトプットイメージの作成

最後に分析テーマに対して、アウトプットに必要な内容を作成します。
このパートは、大きくは2つの観点が必要となります。

現場理解とデータ理解です。

現場理解は、「アウトプットを具体的な利用シーンとマッチさせる」ために必要になります。
よく起こる失敗として、良いものが出来たけどあまり使われない。といった実際の現場でせっかく作ったものが使われないようなことがあります。

従ってまずは、アウトプットについてしっかりと現場と下記項目をすり合わせていく必要があります。

「どういうアウトプットを求められているか」
「誰が使うのか」
「どういうシーンで使うのか」
「どれくらいの頻度で使うのか」
「どういう便益を生むのか」

次にデータ理解ですが、アウトプットを作るために必要なデータ(インプットデータ)とそれを処理するアルゴリズムを考えるのに必要です。

アルゴリズムの中身については、技術者(データサイエンティストなど)と会話をしていくところですが、会話ができる知識量と必要なデータをどのように揃えていくかといったデータ理解が必要なスキルになります。

以上の流れで、ビジネスの成長につながるアウトプット施策を検討し、スケジュールと優先順位を立てることでデータ戦略を策定します。


トレーニングの効果

データ戦略の考え方とトレースするトレーニングをご紹介しました。

繰り返しになりますが、データストラテジストの役割は、ビジネスの成長をデータドリブンで加速させることにあります。多くのケースを想定して考えてみることで、引き出しが増えるのではないでしょうか。

しかし、今回私がこのトレーニングにおいて最も重要だと考えることは、この考えを元にディスカッションをすることだと考えています。

例えば、私の場合は元々エンジニアではないためデータ分析の技術面についての知識が浅いという課題があります。

しかし、最近はトレースしたものを元に弊社のデータサイエンティストとディスカッションをすることで、かなり技術面(アルゴリズム)も詳しくなってきたと感じています。

技術面の理解は技術難易度やスケジュールの把握をする上では必須ですし、何より技術者との信頼構築に必要だと考えています。

また、私は毎週末に違う業界の人と会話する場を意識的に作るようにしています。データ戦略のフレームワークをベースに業界の専門家と話をすることで、業界の課題感を詳細に聞けたり、そこから商品アイデアが生まれ、そのままビジネスに繋がることもあります。

スポーツでも練習試合が大事なように、ディスカッションを経てより実践に近い経験を得られる重要な役割をもっていると考えています。是非周りの方と一緒に取り組んでみてください。

今後DXはあらゆる業界で益々加速するため、この考えが少しでもお役に立てれば幸いです。


さいごに

現在、Logpose Technologiesでは「AI」「最適化」「物流マーケットプレイス」をキーワードに物流DXに挑戦しています!
難易度の高い挑戦ですが、社会的意義があるとてもやりがいのある楽しい仕事です。今回ご紹介したNBDmodel含めて、新しいことはどんどん挑戦できる環境を用意していますので、興味を持っていただけた方は、まずは一度お話ししましょう!


最後までお読みいただきありがとうございました。


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