端数価格
今日から3日間は価格設定の知識について書こうと思います。
商品の価格を決定する際に「500円」や「1,000円」といったキリの良い数字ではなく、それを「490円」や「980円」とすることで安く感じさせて、購入を促す価格設定のことを「端数価格」といいます。
日用雑貨や衣料品など、幅広い分野で用いられていますよね。
ほんの10円〜20円の差でも、やはり「安い」の影響力はバカにできないものがあります。
お釣銭は増えますけど。
タクシーでよく「急いでるからお釣りはいいよ」と80円のお釣りを受け取らない人が、普段は[初乗り710円]のタクシーを利用しているのに、たまたま[初乗り680円]のタクシーに乗って「このタクシー安くていいね」と感激するなんて、このいい例じゃないですか?
80円は面倒くさがって気前よく渡せるのに、同じ人が30円安いだけで「安い」と喜ぶわけです。
この様に「数字の印象が変わる」ことは、消費者の心理にかなり働きかけてきます。
ただし、ひとつ注意!
仮に500円の商品を480円にするということは、原価を30%固定にしたとすると1.25%も原価率を上げてきます。
ですがそこでコストを抑えて商品やサービスの質を下げるのは愚策と言えるでしょう。
この場合は、あくまでも「販売数」でこの穴を埋める必要があります。
まさに、今年(2021年)4月から税込表示が義務化されますが、98円の野菜が108円と書かれると実際に支払っている値段は変わらないくてもすごい値上げ感が…
ユニクロはこれによって1,990円の価格表示を2,189円と表記する必要があることを嫌い、先手を打って義務化施行前から9%の値下げに踏み切りました。
実質、消費税サービスですからすごい決断ですよね。
それほど価格表示にこだわっているのです。
端数価格の効果の大きさが分かりますよね。
こうした「消費者心理」を考慮した価格設定方法は、大きく3つの戦略がありますので、次回、次々回と分けて書いていこうと思います。